おやつカルパス

さくぶんれんしゅう帳

呪術廻戦はいいぞ

 

 

………いやもうこのPVだけでプレゼンになるんじゃね????(盲目)

 

 

 というわけで、この秋アニメ放送開始予定のめちゃくちゃ面白い漫画、呪術廻戦の話をします。

 

 気になってる人、聞いたことあるけど読んだことない人、今ならまだアニメに間に合う!!!

 

 

 張り切っていきたいと思います。

 

 そもそも呪術廻戦とは、週刊少年ジャンプで連載中のバトル漫画です。

 単行本は現在0巻〜11巻まで発売中。0巻というあんまり目にしない巻数カウントがありますが、詳しくは後述します。本編の合間の出来事やサブキャラたちの日常を描いた小説版も2冊刊行されています。

 

 この記事では独断と偏見に基づいて、大したネタバレにならない程度にストーリーやキャラクターと紹介しつつ、わたしが好きなポイントを語りたいと思います。

 でもこういう記事で少しもネタバレしないのは無理! なのでネタバレ一切踏みたくない人はこの先を読まずに呪術廻戦を読んでください。

 

 

〜呪術廻戦のあらすじ〜

 主人公は50メートルを3秒で走れる以外はごく普通の高校生、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)くん。虎杖くんはとある事件に巻き込まれて、呪いの王「両面宿儺(りょうめんすくな)」の指(の木乃伊)を飲み込んでしまう。アニメのティザービジュアルにどーんと描かれているこれが「両面宿儺の指」です。

 

 

 

 普通こんなん食べるものじゃないし、もし食べたとしても死ぬ……はずなのに、何故か虎杖くんは生還する。しかし指に残っていた「両面宿儺」の魂も一緒に飲み込んでしまったため、宿儺と肉体を共有することになってしまった!!

こうしてひとつの肉体に虎杖くんと両面宿儺という二つの魂が宿るところから始まる、わくわく二重人格ライフ!!!!

 

……こんな感じのお話です。(嘘は言ってない)

 

 

〜キャラクター紹介〜

虎杖悠仁(いたどりゆうじ)(cv.榎木淳弥

 主人公。1巻の表紙の人。普通の高校生だったが、宿儺の指を食べたばかりに東京都立呪術高専編入する羽目になる。1年生。両面宿儺と肉体を共有している。超人レベルに身体能力が高い肉弾戦ゴリラだけど、顔の可愛さが全てを中和している。色々あって死刑の執行猶予期間中。

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 



 

両面宿儺(りょうめんすくな)(cv.諏訪部順一

 虎杖くんと肉体を共有している呪いの王。趣味は鏖殺。まじまじのまじで外道なのに肉体を共有した相手が虎杖くんだったため、虎杖くんの顔の可愛さが全てを中和している。後述する伏黒くんを推している。

 

 

五条悟(ごじょうさとる)(cv.中村悠一

 4巻の表紙の人。都立呪術高専の先生。虎杖くんの担任。最強の呪術師。この人が本気出せばたぶん人類みんな殺せる。「照れるなよ。こっちまで恥ずかしくなる」「少し乱暴しようか」「もっと欲張れ」等、乙女ゲームみたいな台詞をぽんぽん吐くヤバい奴。顔も良いし声も良いことが決まったのでもう優勝。ベビー時代、ショタ時代、青春(高校)時代等色んな時期の描写があり、福利厚生が手厚い。アニメが始まったら覇権を取ると思う。情緒に悪い。

呪術廻戦 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

 

伏黒恵(ふしぐろめぐみ)(cv.内田雄馬

 2巻の表紙の人。都立呪術高専1年生。名前は「めぐみ」ですがれっきとしたオトコノコです。虎杖くんのクラスメイト。言い忘れてましたが1年生は合計3人しかいません。善人ぜったい助けるマン。シスコン。虎杖くんにクソデカ感情を抱いている。軽率に命を掛けがちだけど呪いの王の推しなので生き残ると思う。

呪術廻戦 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

 

釘崎野薔薇(くぎさきのばら)(cv.瀬戸麻沙美)

 3巻の表紙の人。虎杖くんのクラスメイト。3人の1年生のうちのひとり。紅一点のはずなのに作中トップクラスのイケメンで、読者からは「野薔薇姫」「野薔薇嬢」「野薔薇様」等と呼ばれる(わたし調べ)。武器と口の悪さが悪役のソレ。敵対した相手を絶対に煽る。たぶん初手コマンドが「煽り」しかない。

呪術廻戦 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

てかついさっき公式ついったー見たらキャラのピックアップ動画きてたから見て……。

 

 

 

 本当は2年生キャラとか京都校とか敵キャラとか色々書きたいけど、長くなると読むの疲れるのでこれくらいにしますね……。

 

 

〜呪術廻戦のこの関係性がアツい 2020〜

 ここからは、関係性おたく(キャラクター同士の人間関係に胸を掴まれがちなおたく)であるわたしがめちゃくちゃ"アツい"と思っている関係性を紹介します。この記事のサビです。

 

①虎杖悠仁と両面宿儺

 多重人格のキャラクターや双子のキャラクターで「同じ顔CP」を妄想するおたくたち〜〜〜!!!! 身体を共有している主人公と呪いの王はいかがですか!?!?

 身体を乗っ取りたい呪いの王と、その王を消そうとしている主人公。虎杖くんがいたから宿儺サンは現世に復活できたようなモノだし、なんなら宿儺サンは一度虎杖くんの命を救ってるけど、根本が分かり合えない!! 主人公と悪の王だから!! そんな同じ顔のふたり、いかがですか?????

 

②虎杖悠仁と伏黒恵

 「呪いの王と身体を共有する羽目になった虎杖くんは危険なので殺すべき」と頭ではわかっているけれど、虎杖くんは善人なので殺したくないと私情を出しちゃう伏黒くん。もう2話のこの展開でヤバ。伏黒くんは善人ぜったい助けるマンなんですけど、それってつまり「善人じゃない人は……」ってこと。対する虎杖くんは「できるだけ多くの人を助けろ」というじっちゃの遺言を胸に生きてる。はぁ〜〜〜〜 すれ違い〜〜〜〜……………。

 

③五条悟と夏油傑

 夏油傑(げとうすぐる)は敵キャラ。呪術を使って人を殺したり悪いことしたりしてる呪詛師と呼ばれる存在。

 ぶっちゃけこのふたりのどこがどうヤバいか語ろうとすると全部ネタバレになる……。ネタバレを踏まずに本作を読んで「エッ? まじで? このふたりヤバない?」って思ってほしい。

 ひとつだけ言うとしたら、五条サンの普段の一人称は「僕」なんですけど、夏油サンの前では「俺」になるんですよね……。つまりそういうふたりです。情緒に悪い。

 

 

他にもめちゃくちゃ語りたいんですけど、長くなると読むのが疲れると思うのでこの辺にしますね(2回目)…………。

 

 

〜0巻も是非読んでくれ〜

 最後に、呪術廻戦を読むにあたって「0巻」もぜったい読んでほしい!! というわたしの心の叫びを聞いてください。

 

 呪術廻戦の0巻は、1巻からの本編の前の年度に東京都立呪術高専で起きた事件を描いた漫画。所謂前日譚です。本編では2年生(主人公虎杖くんたちの先輩)として登場するキャラたちの、1年生の頃が描かれています。

 この話は、呪術廻戦の連載より前に、週刊少年ジャンプの増刊誌「ジャンプGIGA」で4話に渡って連載されたものです。その後、この話をプロトタイプにして呪術廻戦が描かれ、ジャンプ本誌で連載されています。ちなみにGIGA掲載当時は「東京都立呪術高専」というタイトルでした。

 要するに、呪術廻戦の0巻は、その一冊だけでひとつの物語としては完結しているものの、1巻以降の本編と同じ舞台やキャラクターが登場し、時には本編のストーリーにもがっつり絡んでくる、本編をよりしっかりじっくり味わう為に必携の一冊なのです!

 

 なんでこんなに必死なのかというと、0巻の主人公、乙骨憂太(おっこつゆうた)くんが私の推しだからです…………。

 

〜呪術廻戦0巻キャラクター紹介〜

乙骨憂太

 0巻の表紙の人。享年11歳の恋人リカちゃんに取り憑かれている。所謂おにロリ。元虐められっ子だけど取り憑いてるリカちゃんがクソ強いのでクソ強い。普段のふわふわオーラと戦闘時のカッコよさの温度差でおたくは風邪をひく。

 

 

 乙骨くんは0巻の主人公でめちゃくちゃカッコいい強キャラにも関わらず、本編にはまだ殆ど出てきてないのです……(0巻の他のメインキャラはだいたい本編に出ている)(乙骨くんは名前と回想でしか出てこない)。だがしかし、作者の芥見下々先生から、今後乙骨くんも物語に登場すると明言されています。

ジャンプフェスタ2019の企画で募集された読者からの質問への回答

 

 このQ&Aが2018年……。1年半前……。おたくは1年半もの間ずっとキミの登場を待っているよ乙骨くん……。

 

ところでこの0巻っていつ、どのタイミングで読めばいいの問題。わたしのおすすめは次のうちどれかのタイミングです。

 

①0巻から読む

 作品が世に出た(雑誌に掲載された)順に読んでいくパターン。1巻以降の本編で0巻のキャラが登場したときに。「お! コイツ知ってるぞ!!」ってなる気持ちを味わえます。作中の時系列順でもある。

 

②3巻と4巻の間に読む

 0巻が刊行されたのが3巻と同時だったので、単行本の出版順で読むとこのタイミング。4巻の途中から始まる「対抗戦編」では、0巻にも出てくるキャラ(都立呪術高専の2年生)が大活躍します!

 

③7巻と8巻の間に読む

 8巻の途中から始まるあるキャラの過去編では、0巻に出てくるキャラクターが大きく関わってきます。むしろメイン。この時までには是非読んでいてほしい……。過去編の「重み」が違います。

 

というかまあぶっちゃけいつ読んでもいいんだけどね!!

「え、呪術廻戦、面白いね……」と思ったときが0巻を読むタイミング!! なぜなら0巻を読めば呪術廻戦がもっと面白くなるから!!!!

 

そしてアニメ製作サイドの皆様、0巻のエピソードのアニメ化も……是非お願いします……。動いて喋る乙骨憂太が見たいよ……。

 

 

〜まとめ〜

呪術廻戦が気になったそこのあなた!

単行本0巻〜11巻と小説版2冊が好評発売中!(2020年7月現在)

そして今秋からはアニメも放送予定!

 

今ならまだ間に合う! 是非呪術廻戦を読んでください!!!

 

最後になりますが、ナナミン推しの知人から「ナナミンのこと書かないの?」と言われたので近々キャラ紹介拡大版を書きたいと思っています。よろしくお願いします。

 

 

 

おわり。

ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄があるらしい

※この記事は課金システムがあるソシャゲや、ソシャゲに課金する人を否定するものではありません。人に迷惑をかけない範囲で、楽しく思える範囲での課金は問題なし!派です。みなさん楽しい課金ライフを!

 

 

ディズニーツイステッドワンダーランドというソシャゲがある。

 

これは、普段全然ソシャゲをやらないわたしがそのゲームにハマり、生まれて初めてソシャゲに課金したときの記録です。今後ソシャゲに課金することに疑問を覚えたり、逆に課金しすぎて生活が苦しくなったりするかもしれない。そんなときに初心を思い出すために書き残しておきます。

 

 

さて、ディズニーツイステッドワンダーランドとは何か。今更わたしなんぞが紹介しなくても問題ないくらい人気のゲームですが、少しだけ説明しておきます。(もし間違った記載があったらこっそり教えてください)

 

 

ディズニーツイステッドワンダーランド(通称ツイステ)は、ディズニー作品の設定や世界観を基に作られたRPG。「ディズニー」と名前に入っているしディズニー社公認ですが、日本のゲームです。

 

大きな特徴は2つ。

①ディズニーの中でも、特に「ヴィランズ」と呼ばれる悪役の特徴を引き継いだキャラクターが多いこと。例えば「不思議の国のアリス」のハートの女王とか、「世界で一番美しいのはだあれ?」でおなじみの「白雪姫」の女王様とか。

②そうやって作られたキャラクターがみんなイケメン男子。カワイイ系からワイルド系まで! キャラクターとの会話ややりとり(恋愛含む)を楽しみたい「夢女子」とか、男キャラクター同士の恋愛模様を想像したい「腐女子」に人気が出るやつですね。ちなみにキャラクターデザインは「黒執事」を描いた枢やな先生。細かい装飾が多くて厨二心に刺さるデザイン、わたしめちゃくちゃ好きです。枢先生はカードイラストの原画やストーリーのシナリオも担当されています。

 

作中には自分で名前が設定でき、ビジュアル設定が決まっていない主人公(ゲーム中で多くのキャラから「監督生」と呼ばれるので、この記事でも「監督生」と呼ぶことにします)が存在していて、その監督生に感情移入したりしなかったりしつつストーリーを読み進めるタイプのゲームです。

 

ストーリーを私なりにざっと説明してみます。

監督生は何故か(この辺はまだ本編で明かされていないので曖昧ですみません)「ツイステッドワンダーランド」と呼ばれる世界にある魔法学校「ナイトレイブンカレッジ」の生徒になります。魔術師が通う学校です。その学校には7つの寮があって、それぞれの寮に生徒……もとい、イケメン(ネームドキャラは各寮2〜5人)がいます。で、何故かその学校で起こる色々なトラブルや事件に巻き込まれて、各寮のキャラクターと一緒に解決していきます。解決する過程で監督生はイケメンたちと仲良くなれたりなれなかったりします。でもだいたいみんな監督生に優しい……というか甘い気がする。

果たして、監督生は何故ツイステッドワンダーランドにやってきたのか!? そもそもツイステッドワンダーランドとはなんなのか!? 監督生はもとの世界に戻れるのか!?

こんな感じの話です。

 

言い忘れていましたが、先述の7つの寮にはそれぞれ基になったディズニー作品があります。「リトルマーメイド」とか「アラジン」とか。各寮のイケメン達は基の作品のキャラクター(特に悪役)にちょっとデザインや名前や性格が似ています。複数のキャラクターの特徴を併せ持つイケメンもいます。寮の背景や服装も基になる作品のイメージを彷彿させるデザインになっています。

 

ゲームの内容は、ストーリーを読み進めるのが8割くらい(わたしの体感です)。ストーリーの途中で時々バトルパートがあるので、そこで勝つためにガチャで出たカードを育成しなければなりません。また、「リズミック」と呼ばれるリズムゲームも途中で挟まりますが、これはできてもできなくてもストーリーは進むのであんまり重要じゃない(正直このリズミック上手くても報われないスタイルは改善してほしい)

 

要はストーリーを読んで、好きなキャラを手持ちに入れるためにガチャを引いて、出たカードを育ててまたストーリーを進める、というタイプのゲームです。

 

わたしはそんなにソシャゲをやらないからよくわからないけど、こういうシステムのソシャゲは割と多いんじゃないかな……。

 

ツイステの説明だけで1000字超えたよ……。びっくり。

 

で、なぜ普段ソシャゲをやらないわたしがこのゲームにハマったのか。その話をする前に、わたしがなぜ今までソシャゲにハマらなかったのかをお話しします。

 

①ストーリーを読むのがだるい

だっていくらイケメン声優がイケボで喋ってくれるって言っても、台詞を聴くより出てる文字読む方が断然早いじゃん。でもせっかくのフルボイス、喋ってくれるのを飛ばすもの勿体無いし……。スマホを持ってもう読み終わってる台詞をイケメン(もしくは美少女)が喋るのをじりじり待つ……。あれがとにかくだるくて、ストーリーを読み飛ばしがちになってしまう→キャラに愛着が湧かない→ガチャもバトルも楽しくない→辞める のパターン

 

②レベル上げがだるい

プレイヤーランクやカードのレベルを上げるために同じゲームやバトルを何度も何度も何度も何度も周回……。気が狂いそう! でもレベルを上げないとゲームを進められない→レベル上げと進まないストーリーに飽きる→辞める のパターン

 

③ガチャ運がない

①と②が原因でどのゲームも「課金するほど好きじゃない」になってしまう。すると引ける回数も少ないので、もし気に入ったキャラがいてもまあ出ませんよね。ツイッターにいる「一発で推しを引く人」あれ何者なの!?

 

そんなこんなで今までで一番長く続いたソシャゲは学生のころ3年くらいやっていたスクフェスラブライブ! スクールアイドルフェスティバル)。これは音ゲーとして楽しんでいたのでガチャの引きが悪くてもあんまり気にしなかった。ストーリーも全然読まなかったけど音ゲーができれば良かったので問題なかった。音ゲー自体が楽しいのでレベル上げも苦じゃなかった。音ゲーとしての難易度も私にちょうどよかった。未だにμ'sの曲聴くとスクフェスのシャンシャンするリズムの幻聴が聴こえる……。

ところが機種変したときに引き継ぎ失敗してデータが消えてしまって!! 泣く泣くもう一回始めましたが、ちょうどその頃にAqoursに代替わりしたこととか、社会人になったから毎日毎日しゃんしゃんやったりイベントポイント集めたりする余裕がなくなったこととかがきっかけで、やめてしまいました……。ちなみに推しはにこにー。

 

他にも、あんすた? とかアイナナ? とか(「同じ頃流行り始めたイケメンアイドルのソシャゲ」と認識してるので未だにどっちがどっちかわかってない)FGOとか、周りのおたく女がやってるゲームはいくつかインストールしたことがあるんですけど、どれも全く続かなかった。

FGOに至っては3回始めて3回とも1週間くらいで辞めた。それどころか、2回目も3回目も以前インストールしたことのあるゲームだと気づかずに始めた(名前を覚えてなかったので)。そして2回目も3回目も「はじめてやるゲームだと思ってたけど……これ前にやったことあるな……?」チュートリアルの途中で気づいた。3度目ましてだねマシュ。自分が全くこのゲームに興味を持てない、心を動かされないと覚えたので私はもうたぶんFGOはやらないと思う。

 

最近では、かつて熱中したラブライブシリーズの新作「スクスタ」がリリースされたときとか、子供のころ大好きだった犬夜叉のソシャゲ「いぬよみ」がリリースされたときは張り切ってインストールしました。でも、スクスタは1ヶ月程度、いぬよみは2週間程度でやめてしまった。ゲームシステムについていけなくて……。

 

そんな私だけど、このたびのツイステは、それこそ生まれてはじめて課金するほどハマってしまっています。

 

何故か?

上記の「ソシャゲにハマらなかった理由」が解消され、ストーリーを進める中で「推し」と呼べる存在に出会えたからです。

 

まず上記の①ストーリーを読むのがだるい について。

これについてはわたしがツイステを始めたきっかけからお話します。

ツイステはサービス開始当初からツイッターで話題に上っているのを見ていました。しかし、直接わたしに勧めてくれたのは職場の先輩です。

「最近始まった、ディズニーの、黒執事の人がキャラ描いてるゲーム、面白いよ」

そう、わたしは職場の人との共通の話題が欲しくてこのゲームを始めたのです。

勧めてくれた先輩に、「話題は目にするので気になってはいるけど、こうこうこういう理由でソシャゲが続かなくて……」と話しました。すると先輩が「ストーリーとか、オートで喋ってくれるようにしてBGMにすればいいんだよ」と教えてくれました。

なるほど!! 目から鱗でした。

ソシャゲのストーリーは「読む」ものだとばっかり思っていたけれど、せっかくフルボイスで喋ってくれるから「聴く」ことにすればいいのか!

こうして、料理をしているときとか、化粧をしているときとかにツイステのストーリーを「聴く」スタイルが出来上がりました。

まあこれはフルボイスでオート再生機能があるゲームならどれでも使える技なので、特にツイステがわたしに合っていたという話ではないです。先輩の助言と布教が的確だった。

ちなみに、どっぷりハマってしまった今は作業BGMにしていたつもりが画面に見入ってキャラの表情まで楽しみながらストーリーを追っている……ということもよくあります。

 

そして②レベル上げがだるい について。

これはツイステのシステムが飽き性なわたし(とその他ソシャゲが続かない人たち)に合わせてくれたと言えます。

ツイステのレベル上げは、バトルやストーリーとは別のいわば“レベル上げ&素材集め専用ステージ”(「授業」と呼ばれています)で行うシステムです。で、その「授業」は、一旦レベルを上げるカードを選んでしまえば全てオートで周回してくれるのです。授業で消費する「AP(所謂「スタミナ」。時間が経てば回復する、ゲームを進めるためのポイント)(APって何ポイントの略か実はわかってない)」が尽きるまで、何も触らなくても勝手に経験値が貯まる。素材も集まる。わたしはその間に他のことができる。

これ、わたしみたいな“ソシャゲ続かないマン”も取り込む為に作ったんだろうなあ。それとも最近のソシャゲはみんなこうなんでしょうか……?

ともあれ、このシステムのおかげでわたしは「クソだるい」レベル上げに苦労せずにゲームを進めることができています。わたしはワルなので「授業」中に寝ている。

 

そして③ガチャ運がない

 

運がないなら課金をすればいいじゃない!!!

 

そう。①と②を克服してツイステに推しを見つけた私は、ついに生まれて初めてのガチャ課金に手を出しました。

 

彼の名はジャミル・バイパー。

 

 

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はあ……今日も美人だね……。

 

正直最初は完全にノーマークでした。

私は基本「かっこいい女キャラ」か「可愛い男キャラ」が好きなので、リドルくんとかエペルくんとかお顔がカワイイボーイにハマると思っていた。それかウチヤマボイスが好きなのでイデア氏。彼が所属するスカラビア寮ならどちらかと言えばカリムくんのが好みだと思っていた。

 

でも気づいたらジャミル・バイパーが好きだった。

 

そもそもジャミルくんと同じ寮のカリムくんがジャミルが作ってくれる飯は旨い」って吹聴して回ってるのが全てのはじまりでした。

 

「え……? このクールでビューティーボイス(わたしはジャミルくんの声も好きです)な吊り目のオトコノコが、トモダチの為に美味しいご飯を作るの……? そんなの“愛”じゃん……」

(わたしは「ご飯を美味しそうに食べる子」と「美味しそうなご飯を作る子」にも弱い)

 

ツイステ4章をクリアされた方はこの先私に待っていた地獄がもう想像できたと思う。

 

何はともあれ、カリムくんが「ジャミルの飯」の話をするのが可愛いすぎた。わたしは次第に「カリムくんが話して聞かせてくれるジャミルくん」「カリムくんと一緒にいるジャミルくん」を好きになりました。

 

ここでわたしがツイステを始めた時期について少しお話します。

わたしが始めたのはコロナのせいで何処にも出掛けられずひとりぼっちな5連休を過ごしていたGWの最後の方。それまでは気になりつつもインストールしていませんでした。

始めた時はメインストーリー3章まで公開されていました。しかし、ストーリーを読む為には例のオートで周回してくれる「授業」でプレイヤーランクを上げなければならないので、すぐには3章まで読めません。

わたしがじりじりランクを上げ、ストーリーを読み、またランクを上げ……としている間に、メインストーリー4章の前編、中編が公開されました。ツイッターでは公開と同時に4章を読んだ方々の感想やイラストや考察が溢れ、わたしが気になるジャミルくんもその中にいる……。でもわたしはランク上げが追いつかないからまだ3章を読んでいる……。もどかしい日々が続きました。

そして毎日毎日授業を周回し、なんとか4章の後編の公開にはリアルタイムで立ち会うことができるようになりました。

数年前ジャンプ単行本派から本誌派に乗り替えたときの気持ちを思い出したよ。

 

そして6月1日。4章後編が公開。

 

詳細は割愛するがわたしは悲しかった。

 

ツイッターではわたしと同じように地獄を見たような顔ツイッターでは顔見えんけど)をした人で溢れていた。みんな悲しくて辛いんだと思った。

そんな中で、一縷の希望のような噂を目にした。

 

「4章後編公開と同時に実装されたジャミルSSRのカードを手に入れると読めるストーリーが救いらしい」

 

……読むしかないやん。

 

ジャミルSSR実装と同時にピックアップガチャも開催されていました。既に手持ちの石がなくなるまで回したものの、SSRはまだ手にしていませんでした。

 

……課金? 課金か??

 

まあ今までソシャゲやらなかったわたしがこれだけ楽しませてもらってるんだから、お布施というか、お礼として多少お金を払うのはやぶさかではない。いつかどこかで「ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄がある」と聞いたことがあるけど、死んだ後堕ちる地獄のことなんて信じてねえし。ガチャに課金しただけで地獄行きならあの子もあの子もあの子もみーんな仲良く地獄行きでしょ。問題ない。つーか地獄なら4章で既に見ている。

 

チャリーン(電子決済の効果音)

 

課金額でマウントを取る風潮が嫌いなので、幾ら使ったかは割愛させていただきます。

 

とにかくわたしはゲーム内で集めることができる無料石も極力取りこぼさないよう集めながら、ちょっとずつちょっとずつ課金しました。そして、「これくらいなら衝動買いにつかってもいいかな」と思える値段くらいまではお金をかけました。

 

……が、まだSSRは出なかった。

 

この時点で回した回数は85回。ツイステのSSR排出率は1.5%。これくらいになると、「ぶっちゃけそろそろ出るんじゃない?」という気持ちが顔を出し始めました。というかジャミルピックアップだけで85回で、他のガチャも合わせたらもっと回してるのに一度もSSRを手にしてない(最初のSSR確定ガチャを除く)んだから、確率的には来てもなんらおかしくない。というかやっぱりガチャ運ないなわたし。

それに、ツイステのガチャは「同じガチャ100回目には必ずSSRが出る」というシステムになっている。あと15回回せば確実にSSRは出るジャミルピックアップとはいえ確実にジャミルかどうかはわからないけど、排出率は高いのでジャミルの可能性は高い)

 

ああ、これが「ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄」か。

そのときにやっと理解しました。

 

死んでから落ちるんじゃないのか。今世で地獄を知るのか。

 

用意していた金は注ぎ込んだ(そもそもわたしは大した額を用意していなかった)

でもまだ出ない。

でも排出率的には、もしかしたら、次で出るかもしれない。次の次で出るかもしれない。これで引かなかったら後悔するかもしれない。

 

そんな疑心暗鬼。未来の自分との心理戦。財布とわたしの首脳会談。

ぶっちゃけ今思い出して書いてるのすら苦しい。あの判断が正しかったのかわたしにはわからない。

 

ちなみにわたしがどんな判断をしたかというと

 

 

f:id:ysokkmm:20200614213732p:image

無事引くことができました。

 

 

こうしてわたしはこのカードのストーリーに心を救われ、今では4章を読む前よりももっとジャミル・バイパーのことが好きになりました。

 

 

 

おわり。

 

そういえばこのブログ、車を買った話とか推しのベースの話とか、お金が無いが故に悩んでいる記事が多いですね。まあ金はいくらあっても足りないよね……。おたくだし……。

読書感想文 〜めんどくさがりなきみのための文章教室(著・はやみねかおる)〜

 

 



 

はやみねかおる先生だーーーーー!!!

 

と思って買った本です。

 

 

わたしはこのブログを「さくぶんれんしゅう帳」と位置付けているように、「作文がうまくなりたいな〜」「楽しい暇つぶしくらいにはなる文章が書ければいいな〜」とこっそり思っています。そんなわけだからツイッターでこの本のことを知ってぴゃっと購入しました。

 

最近のわたし、Amazonで本をポチるハードルが異様に下がっている。

 

注文したときは増刷待ちだったので手元に届くにはちょーっと時間がかかりました。でも本が届くとわくわくするね! うれし〜〜〜!!

 

で、本を開いて、数ページの前書きがあって、その後に出てくる「目次」で、もう既に「なるほどな、すごいな」と思いました。

 

なんでかと言うとですね、「目次を読むだけで文章が上手くなるコツがわかる」からです。

 

Amazonさんとかに目次載ってるかなって思って探したけど見当たらなかった……。

 

いくつか引用すると

 

1日たった200字の日記が小説家を作り出す

 

とか

 

まずたくさん書いて、いいところだけを残す

 

とか。

 

目次がまず、わかりやすい。指針が見える。そのおかげでめちゃくちゃ信頼を置いてこの本を読み進めることができました。

(まあはやみねかおる先生のことは最初から信頼してるんですけど)

 

そして、タイトルが「めんどくさがりなきみのため」というだけあって、「書けない、わからない」をイチから肯定してくれてる。その上で現代のツールも交えて解決法を教えてくれる。

 

これ、すっごく気が楽になりました。

 

例えば、「どう書けばいいのかわからない」に対して、「ツイッターに呟くならどうするか」から入るアプローチが紹介されていたり。

例えば、インターネットでテンプレートを探して作文を書く方法が紹介されていたり。

 

わたしは頭が固いので、特にテンプレートの件なんかは「それ、言っちゃっていいの!?」って思ったりもしました。でも、「とにかく誰でも書けるようになる」っていう視点では、文明の利器インターネットを使って先人の足跡テンプレートをなぞるのも、有効なんだろうなあ。

 

そういえばわたしも就活のエントリーシートでは散々テンプレ文章を使いました……。

 

 

ただ、買う前に気付けばよかったんだけど、ツイッターで評判を見た時の印象よりも低年齢層向けに書かれている内容でした。対象は中学生くらいかな。主人公も中学生だし。

 

だから、作文が好きで大人になってもこうしてぽちぽち課されてもいない文章を書いている身だと、「当たり前では……」と思う部分も、まあありました。原稿用紙の使い方とかね……。学校で習うやろが。それとももしかして今の学校では習わないの!?

 

沢山(この本で推奨されてるのは毎日200字)書けば上手くなるってのも、まあ当たり前だし知ってる……けどなかなか実践できないよなあ……。

 

そうは言っても、「毎日200字」みたいな「わかっちゃいるけどできてない」基本を改めて教えて貰えることってなかなかないですよね。それに、知らなかった、やったことがなかった文章の書き方も紹介されていたので、今度やってみよう! と思った次第です。

 

なにはともあれ、対象年齢は「中学生〜」という印象があったのは確かですが、大人のわたしが読んでも楽しく役に立つ本でした!

それに装丁もカワイイし、2色刷りの本文もカワイイし、本棚に一冊こういう本があるとそれだけで「文章が上手い人」みたいに見える!!笑

もう書くのが嫌だな〜〜ってなっちゃったときに、初心に帰るために開きたい本になりました。

 

それでは、どうやってこの文章を終わらせればよいかわからないので、本書に出てきた「どうしても書けない物語を終わらせる魔法の文」で終わりたいと思います。

 

「いろいろあって、みんな幸せに暮らしました」!!

(ハピエン厨のわたしに優しい「魔法の文」だ!!)

 

おわり。

 

 

そういえば、はやみね先生といえば「都会のトム&ソーヤ」の映画化どうなったんだろ〜〜 って思い出したので調べてみました。

コロナの影響で撮影&公開延期だそうです………。しょんぼり。

歳の数くらいの回数同じ映画を観た話

映画館で映画を観るのが好きだ。

 

大画面と大音響、真っ暗な中で映像と物語に浸る2時間が好きだ。

特に、ストーリーがシンプルで音楽と映像が派手だったり美しかったりする作品は、映画館で観るに限る。

 

そんな私が2019年の夏にどっぷりハマった作品が、「プロメア」だ。ちょうど今日で公開1周年なので、プロメアの思い出を書こうと思う。

 

 

 

もともとこの年の春頃から映画館に行くたびに予告編を見ていた。その時には、タレントキャストだし、「君の名は」のロボ映画版みたいなもんかなあ。色使いが面白くて音楽はかっこいいから観てみたら面白いかもしれないけど、たぶん観ずに終わるだろうなあ、ロボット興味ないし。そんなことよりアラジンが観たい。くらいに思っていた。

 

そして5月24日、プロメアが公開された。

しばらくすると、じわじわと、タイムラインでプロメアの話題を見ることが多くなった。わたしは基本的にヒロアカ等の漫画作品のファンしかフォローしていないので、一つの映画の話題が継続的にタイムラインに現れることは稀だ。そんなに面白いんだろうか。ちょっと気になるな。そう思っていたある日、仕事の量が比較的少なくて、早く退勤できた日があった。しかも水曜日だ。レディースデーだ。そういう日は、わたしは、退勤時に最寄りの映画館の上映情報を調べて、気になる作品がいい時間に上映していれば鑑賞することにしている。この日はちょうど、退勤して映画館に到着して20分後くらいにプロメアが上映されることになっていた。ちょっと気になってたし、今日はこの映画を観て帰ろう。そんな軽い気持ちで映画館に向かった。早く帰れたと言っても仕事のあとだから疲れたな〜、そう言えばタイムラインにはよくプロメアの話題が出てくるけど、知らないジャンルの話は斜め読みしかしないからよく知らないな〜、サカイマサトが変なビームを撃つことと、腐女子さんたちが盛り上がってることしか知らないな〜、グレンラガンキルラキルも観てないけど、別に話が繋がってるワケじゃないからプロメアだけ観ても大丈夫ってのは確認したからたぶん大丈夫だろ!! くらいに思いながら劇場に入った。

 

 

衝撃の2時間だった。

 

 

最初のサラリーマンが炎を吐くシーンでもう持っていかれた。あとから思えば、毎日色んなことを我慢して働いていて疲れていて、通勤電車の中で全てを燃やし尽くした彼みたいに会社を燃やしたいと思ったのかもしれない。(後に通い詰めた応炎上映ではあのシーンでよく「燃やせー!!」って言ってた。物騒でごめん)

そして序盤の目が追いつかないほどの戦闘シーン。チカチカする色彩の炎と、次々変化する音楽。物語を追う暇もないほど映像に圧倒された。「アッ、話追わなきゃ、ちゃんと台詞聞かなきゃ」と思った時にはもうリオ・フォーティアは捕まっていた。(それでもストーリーが理解るのがプロメアの良いところ)

そうやって戦闘シーンになる度に目をチカチカさせながら瞬きもせずに観て、正直初回の鑑賞では何が起こってるのかはっきりわからないまま物語が進んだ。リオ・フォーティアが神様だということだけはわかった。(個人の解釈です)

 

本編が終わった時にはぐったりと疲れていた。「あ……終わった……」と呆然としながらエンディングの「氷に閉じ込めて」を聴いた。こんな、ピアノのポロポロきらきらした曲で終わるんだ……とぼんやりと思った。君がいなくなると灰になるのかあ……。

 

あんなに疲れた映画体験は、後にも先にもプロメアしかない。

映画館を出ると寒くもないのにブルブル震えていて、2時間交感神経が働きっぱなしだったため頭も痛かった。いつものように流れるタイムラインを別世界の出来事のように感じながら、「プロメアやばい」と呟いた。(なにかあるとすぐツイートするタイプのおたく)

めちゃくちゃ疲れたのに、もう2回目を観たかった。あの世界に少しでも長く浸りたかった。あのエネルギーの片鱗でも吸いたかった。

その気持ちに気がついたらいてもたってもいられなくなって、駐車場に向かいかけたところを引き返して、もう一度映画館に向かった。サントラが欲しかった。結局映画館の売店では売り切れだったが、同じ建物の中のCDショップで無事に手に入れた。完全に衝動買いだった。

車に戻ってエンジンをかけて、早速カーステレオにサントラCDをぶちこんで聴きながら帰ることにした。映画の余韻で脳みそがびりびりしたまま、注意力とか集中力がボロボロだから事故ったら怖いな……と思いながら運転して帰った。

 

これが私の、プロメア初回鑑賞の思い出だ。

 

 

実は、プロメア以前にも、アニメを鑑賞したあと同じような状態(感動とか興奮で震えて自律神経がめちゃくちゃになる)になったことがある。

プロメアの丁度1年ほど前、映画館でヒロアカのアニメを地上波放送と同時に上映するイベントに行ったときだ。物語の中での大きなクライマックス、ナンバーワンヒーローオールマイトが敵のボスと対決するエピソードだった。

 

 

漫画で読んだときから、映画で観たいと思っていたバトルだ。本当に凄かったし、あの話を映画館で観れたのはヒロアカのファンとして、ずっと大事にしていきたい思い出だ。キャストさんのトークショーのパートもあって、オールマイト役の三宅さんの生の声で「更に向こうへ!」の決め台詞を聴けたのも本当に感動した。

でも、そのときの感動が余りにも大きすぎて、この先あれ以上に心が震えるような体験ってなかなかできないんじゃないのかな、と心のどこかで絶望していた。

 

その絶望を打ち壊してくれたのがプロメアだった。

大袈裟かもしれないけど、当たり前かもしれないけど、「この世には私が知らない、こんなにも面白いものがあるんだ!」という発見で、希望だった。これからも生きていたら、こんな風に面白い! って思えることに出会えるかもしれないと思うと元気が出た。

 

お分かりかもしれませんがこれはオタクのクソデカクソ重感情です。

いつかどこかで正直に書こうと思っていたけど重すぎて自分でもちょっと引いた。ヒロアカに対してもプロメアに対しても重い。

 

 

ともあれ、そうやってプロメアに救われた(クソ重)私は、狂ったように映画館に通い始めた。なにしろ、初回は映像と音楽の洪水で何が起きているのかイマイチ分からなかったのだ。2回目もよくわからなかった。ちゃんと理解し始めたのが3回目くらい。その後も、ちょっとでも「観たい!」と思えば仕事終わりに映画館に行っていた。仕事の後に映画を観ると夜帰るのが遅くなるし、そうそう都合よく仕事が片付くわけでもないから次の日の私は寝不足だし前日の仕事が残っているしでとにかくしんどい。それでも、「観たい」という衝動に抗えなかった。プロメア、よく「浴びる合法シャブ」とか形容されるけど、まさにそんな感じ。絶望から救ってくれた神様だからお布施しなきゃいけないし……とまるで宗教にハマったかのような言い訳をして映画館に通っていた。

 

その後応炎上映なる文化が発生し、私はペンライトを衝動買いしたり、映画を観るためだけに新幹線に乗ったり、4日連続で同じ映画を観て知り合いができたりして、結局この記事のタイトルの通り歳の数くらいプロメアを映画館で観ることになるのですが……。長くなったのでそのあたりはまた気が向いたら書きます。

 

あとキルラキル一気見したりとか、ゲキシネで劇団新感線を初体験したりもしました。プロメアの影響力すごい。

 

ちなみに歳の数だけプロメア鑑賞、決して少なくはないけど、ツイッターの様子を見る限りプロメアオタクとしては特に驚くほど多いわけでもない。安室の女とか、マジLOVEキングダム国民とかもそれくらい同じ映画観てるでしょ、たぶん……とも思っている。

 

 

そんなプロメア、円盤(炎盤)だけでなくてオンライン配信レンタルも始まったらしいので、ぜひよろしくお願いします。

 

 

『プロメア』(完全生産限定版) [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/02/05
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応援上映どころか、普通の映画鑑賞さえままならない世の中だけど、また映画館で覚醒を歌ったり、「滅殺開墾ビーム!」を声を合わせて言ったりできる日が来ることを楽しみにしています。

 

 

おわり。

オタク魂を錬成した漫画が全話無料公開されてたので一気読みした話

これですよ。

 

※無料公開は終了しています。

 

少し前の話になりますが、全部読みました。

このツイートが土曜日の昼間で、その日の昼休みにすぐ読み始めて、読み終わったのが火曜日の夜。4日間で56巻。今までTwitterやpixivやアイドルのブログを見ていた時間、そして先月買ったキーボードを弾くはずだった時間全て費やして、一気読み。こんな短期間で一つの作品を最初から最後まで、駆け抜けるように読んだのは生まれて初めてだったし、今後もそうそうやらないと思う。

 

 

2000年代にアニメをやっていた頃、犬夜叉にハマっていた。

当時観始めたきっかけはよく覚えてないが、最初に観たのが20巻の竜骨精のあたりだったことはなんとなく覚えている。たぶん近所の友達が観ていたから観るようになったんだと思う。

あんまり好きなテレビを観せてくれない家庭だったけど(私がテレビより本が好きであまり熱心に観たいと主張しなかっただけかも)犬夜叉は数少ない、毎週観てもいい番組に入っていた。

 

セーラームーンクレヨン王国おジャ魔女どれみも好きだったけど、少年漫画原作のアニメをあんなに一生懸命観たのは犬夜叉が初めてだったと思う。

原作漫画も単行本で買っていた。お小遣いの少ない子供だったから、近所の友達と1巻ずつ交互に買っては貸しあっていた(そのせいで実家には歯抜け状態の犬夜叉の単行本がまだ眠っている)

段ボールや新聞紙を使って犬夜叉の仲間たちの武器を作って遊んでいた。

 

鬼滅最終回の所感を書いた時にも触れたけれど、令和キッズたちにとっての鬼滅の刃と似た立ち位置に、私にとっての犬夜叉がいるんだと思う。令和キッズは全集中水の呼吸ごっこをして遊ぶらしいし。。。私も四魂のかけらの気配を感じるごっこをして遊んだし。。。

というか、初めて鬼滅のOP、あの紅蓮華の音楽に乗せて鬼殺の隊士たちが舞い踊る様子を観た時、「犬夜叉じゃん!!!」って思ったよね。なにがどう犬夜叉に似てるのかよくわかんないけど、あのOPは犬夜叉が刺さったのと同じところに刺さった。

 

話を戻そう。

 

ともあれ、私はゼロ年代のアニメ放送当時はただの犬夜叉が好きな小学生で、二次創作を嗜むタイプのおたくではなかった。と言うよりも、インターネットや書籍(同人誌やファン雑誌や書店に置いてある非公式アンソロ)で、ファンが勝手に創作した作品を観ることができるということを知らなかった。当時は当然Twitterもpixivもなかったし。

 

それでも子供心に「このふたり付き合えばいいのに」「付き合わないのかな?」と思うふたりはいた。ラブコメ要素も強いので、まあ子供がそう思うのもやむなしではあるんですが……。

でも私は先述のように二次創作作品なら「付き合ってるふたり」が見れるということを知らなかったので、それはもう原作のそのふたりのシーンを繰り返し繰り返し読んだ。

 

当時の私は「カップリング」という概念も言葉も知らなかったが、これが私の最初の「推しCP」の思い出だ。

 

 

全巻一気読みしたとき、このふたりへの「萌え」が何度も、猛烈に湧き上がってきた。もう十何年も前に読んでいたのに、このシーンだけは次の台詞がわかる。だって何度も読んだから。

子供の頃の集中力と記憶は恐ろしいもので、今は好きな漫画でもなかなか台詞を覚え込むまで読まないし、いっとき覚えていたとしても時間が経つと忘れてしまうことが多々あるのに、十年以上前に読んだ犬夜叉の台詞はまだ覚えている。ひとつひとつのエピソードは忘れてしまっているのに、このシーンのこの台詞だけは覚えている。そんな場面がいくつもあった。正直言うとその頃から立派にオタクだった自分にちょっと引いたし、ああこのシーンのこの感じ、今でも大好きだな……とか、今の性癖のルーツになったの、ここだな……とか思うものをまざまざと見せつけられて、謎の羞恥心が湧いた。

 

 

 

一方で、昔読んでいたときとは違う印象を持った部分もあった。例えば、当時純粋な子供だったわたしは死んでも尚犬夜叉に執着し続ける桔梗をあまり良く思っていなかった。しかし、大人になった今読んでみると、桔梗もなかなか人間らしい「愛」と「憎」を持っていて深いキャラクターだ。

それに、殺生丸がりんを連れ歩いていることも、その“良さ”も当時はよく分からなかったが(りんちゃんは可愛いなあとは思っていた)、あれも殺生丸がだんだん人間らしくなっていくところが良いなと思った。

 

たぶん、子供の頃のわたしは最初に示されたキャラクターのイメージをずっと抱き続けていて、そのイメージが好きとか嫌いとか言っていたのに対して、今のわたしはキャラクター同士の人間関係とか、その変化とかに惹かれるようになったんだと思う。

 

 

本来なら無料公開中に布教記事を書くとかなんとかしたかったんだけど、短い無料公開期間では読みたいところを何度も読むのに精一杯だった(子供の頃とやっていることが変わらない)し、それでも無料公開直後に記事を上げれたらよかったのに鬼滅が完結してそっちのショックが大きかったりして遅くなってしまった。

お蔵入りしようかと思ったけど、自分の「好き」のルーツにある漫画をここまで一気に読み返すこともなかなか貴重な体験なので、記録に残しておきます。

 

それと、この度一気読みして、これは手元に置いておきたい漫画だと思ったので大人買いを検討している。置く場所がないので本棚から買うことになりそうだけど、いつか必ず引っ越していくことになるこの部屋にこれ以上家具を増やすのか……と悩んでいます。

 

 

 

 

おわり。

しのぶさんと禰豆子ちゃんが好きです

鬼滅の刃が完結した。

 

 

私はそこまで熱烈な鬼滅のファンではない。

ヒロアカ目当てで買い始めたジャンプに載っていて、面白いらしいから途中から読み始めて、単行本も一時期買っていたけど好きなキャラ(しのぶと禰豆子)があんまり出てこないからと買わなくなって、でもまあジャンプは買ってるし読もうかな、くらいの気持ちで読んでいた。ここ一年くらいは、無惨様を倒すぞ! って屋敷に乗り込んだ割にはなかなか倒せないな、ひとつのエピソードが長いな、誰が誰と戦ってどうやって死んでしまったかそろそろわかんなくなってきたな、と思いながら読んでいた。(しのぶさんを殺した鬼のことは覚えてるし許さない)(名前すら出したくないくらい嫌い)

 

アニメになったときも、絵は綺麗で格好いいけれど、原作の絵柄のあの独特な絵柄の味が薄れている気がして、少し物足りなく感じていた。途中間延びしてテンポ悪い回とかあったし。

そうは言っても、OPの紅蓮花は曲も映像もめちゃくちゃ格好いいなって思ったし、水の呼吸の演出とか善逸が眠ったまま技を出すシーンとか禰豆子の血鬼術が発動するシーンとか、映像と音の美しさが極まっている場面が色々あって、素敵なアニメだと思って最後まで観たし、劇場版の特報が流れたときは鳥肌が立った。物語の序盤から読んでいた作品ということもあって、綺麗で格好良いアニメになって良かったなあと思った。

 

一方で、アニメが進むにつれて急加速した人気に戸惑うことも多々あった。ネットではマナーの良くないファンが多いと度々目にするようになったし、子供にも人気らしくて少し驚いた。夜11時とかのアニメ放送時間まで起きてて観るんだろうか。ネット配信とか録画で観るんだろうか。身近に鬼滅好きな子供もその親もいないのでわからない。

 

ともあれ、私は、本誌を買ってるから鬼滅を読んではいるけどそこまで熱烈なファンではないし、今の一大ブームにはなんとなく乗り切れない心持ちでいた。

 

 

それでも、鬼滅の刃の完結は衝撃だった。

 

ラスボス無惨様倒したし、物語としては終わりそうではあったけど、今これだけ勢いがあって、単行本も飛ぶように売れてて、秋には映画も控えてて、それでも終わる!? と思っていたので、本当に本当に完結してしまって呆然とした。

 

私が子供の頃好きだった少年漫画は、犬夜叉NARUTOシャーマンキングBLEACHも、もっともっと長く続いていた。

それこそ子供心には、サザエさんとかドラえもんみたいに、ずーっと同じことを繰り返して永遠に続くんじゃないかと思っていた。「犬夜叉が終わるまでは死なない!」と良く言っていたけれど、それにはずーっとずーっっと生きなきゃいけないからたいへんだなあと思っていた。

結果、物語が完結する前に、私の心の方が離れてしまうことが多かった。「その程度」の気持ちだったんでしょ、と言ってしまえばそれまでだけど、例えば漫画を貸しあっていた友達と別のクラスや別の学校になってしまったとか、進学して部活に打ち込んで漫画を読む時間がなくなったとか、話が進むにつれて複雑になって登場人物も増えて難しくてあんまり面白く感じなくなった、とか、色んな理由があってそうなってしまった。

 

どうやら、ちょうどその頃のわたしの年代(小学生〜高校生)の子供たちにも、鬼滅の刃は人気らしい。ジャンプでは読んでいないとしても、最終巻が出るのはおそらく2〜3ヶ月後。アニメは原作どおりの展開で、ヒロアカみたいに年に2クールずつくらいに分けて製作されると仮定したら、あと3年くらいで完結だろうか。それくらいの期間だったら、今の子供達は、きっとわたしみたいにいつ終わるかわからずにだらだら追いかけていつの間にか作品と疎遠になる、みたいなことにならずに、完結までこの物語を楽しめるんじゃないだろうか。

 

わたしはそれが、少し羨ましい。

 

子供の頃に好きになった作品を、好きになった感性が変わらないうちに最後まで見届けられる今の子供たちが、羨ましいと思った。

 

つい先日、全話無料キャンペーンの恩恵にあやかって犬夜叉を一気読みした。子供のころアニメも漫画も大好きで、でも最後まで読み切ることなく離れていってしまった作品だ。20年前の作品なのに、今読んでもめちゃくちゃ面白い。めちゃくちゃ面白くて夢中になって最後まで一気に読んだけど、最初にあの作品を好きになったときの感性のときに、この結末を見たかったな、と思った。

 

ひとつの物語が終わったときの脱力感とか充足感とか、ああこの作品を好きで良かったなって気持ちとか、「終わっちゃって寂しい」と「最後まで見届けることができてよかった」がごちゃまぜになった気持ちとか、私はそういうものをあまり経験せずに大人になってしまった。(割とリアルタイムで最後まで追ったのはハリーポッターとダレンシャンかな。少年漫画は悉く読みきれなかった)

でも今の鬼滅ファンの子供たちは、鬼滅の刃を好きになった感性のままに、「鬼滅ごっこ」をして遊んだ友達と一緒に、この結末を見届けることができるんだと思う。その経験って、これから先漫画とかアニメとか小説とかドラマとか映画とかでたくさんの物語に出会える人生の中で、大事なものになるんじゃないかなあ。

 

鬼滅の刃が好きな子供たちが、10年後20年後に知り合った相手とも「昔鬼滅好きだった」って話で盛り上がって、完結したときの気持ちとか共有できたらすごく素敵だと思う。私みたいに「流行ってたから観てたけど最後知らない」とか寂しいしさ。すごく美しく気持ちよく、人の心に残る形で完結したなあ、凄いなあと、思うわけです。

 

どうか今の子供たちにとって「鬼滅が好きだった」ことが素敵な思い出になればいいな。

 

 

吾峠先生、炭治郎くん、沢山の人の心に響く物語をありがとう。お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

おわり。

 

 

読書感想文 〜キリン解剖記(著・郡司芽久)〜【6/9 追記】

キリンって格好いいな、と思ったのは大学2年生の頃だった。

その日のわたしは、理由はよく覚えてないけれど落ち込んでいて、なんだか悲しい気持ちで学内のコンビニを意味もなく何周もウロウロしていた。そのときにふと目に入ったのが、文具コーナーに置かれたキリンの写真のポストカードだった。(大学構内のコンビニに置いてあるポストカードとか誰が買うんだろう)

サバンナに沈むオレンジの夕陽をバックに、何頭かのキリンのシルエットが映った写真だった。それが無性に心惹かれて格好よくて、キリンって凄いな、と思った。

(その頃万年金欠学生だったわたしは散々迷った末に「何に使うんだろう」「使わないモノ買ってもなぁ」と思って200円ほどのそのポストカードを買わなかった。こんなに何年もキリンに心惹かれることになるとわかっていたら買っていたのに。少し後悔している)

 

そのとき以来、キリンのことが気になってしょうがなくなった。

 

キリン。

 

いつその動物を知ったのか覚えていないくらい小さい頃から、動物園や絵本でお馴染みの生き物だ。首が長くて、脚も長くて、独特の模様で。シルエットだけで、若しくは模様だけで「キリンだ!」と誰でもわかるアイデンティティを持っているところが格好いいと思った。生命の進化の神秘を感じた。

それに、そんな風に格好いいのに、顔をよく見ると目がくりくりしていて、ほっぺはぷくっとしていて口が大きくて、なんだかコミカルで愛らしいところもよかった。

でも大学生だったわたしは、その姿かたち以外キリンのことを何も知らなかった。

自分の無知に気づいたわたしは、ネットで色々なキリンの写真や情報を見た。見れば見るほどキリンが好きになった。ぜんぶネットの知識だから威張れるようなものでもないけれど、たぶん他の人よりは少しだけキリンに詳しくなった。ウシに似た鳴き声をしていることとか、近い種族はオカピであることとか、超高血圧なこととか。それに、ケニアにはキリンを飼育しているホテルがあることも知った。二階の窓からキリンが首を覗かせている写真を見るとワクワクした。(ケニアどころか海外自体怖くて一度も行ったことがないけど、一度泊まってみたい)

 

 

動物園にも行ったし、キリンの雑貨を沢山取り扱っている雑貨屋さんがあることも知って、何度も足を運んだ。(就職して遠くに引っ越してあまり行かなくなって暫くしてから、その雑貨屋さんは店を畳まれてしまった。店主さんは人見知りな様子だったけれど何度か行くうちに雑談もするようになり、閉店前に挨拶に行った時も随分久しぶりに足を運んだのに覚えていてくれて嬉しかった。わたしが持っているキリングッズの多くはその店で購入したものだ)

 

そんなふうに「好きな動物はキリンです」と言うようになってから数年経った先日、「キリン解剖記」なる本が出版されていることをツイッターで知った。

 

 

もうね、この帯の文言と、見開きで載っている試し読みだけで「面白そう!」と思った。

Amazonのページに飛ぶと、著者の紹介も載っていた。

 

郡司芽久(ぐんじめぐ)
1989年生まれ。2017年3月に東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了(農学博士)。
同年4月より、日本学術振興会特別研究員PDとして国立科学博物館に勤務。
幼少期からキリンが好きで、大学院修士課程・博士課程にてキリンの研究を行い、27歳で念願のキリン博士となる。

Amazonより

 

89年生まれの方なら、年齢はわたしとそう変わらない。「芽久(めぐ)」という名前やツイッターに載っている写真からすると女性だろうから、わたしと同性の、同年代の方が書いた本、ということになる。無性に親近感が湧き、益々読んでみたくなった。(東大大学院卒、というわたしとは遥か遠い経歴は一旦考えないことにする)

 

早速そのままAmazonで購入し、届くのをわくわくしながら待った。楽しみすぎて、家族や友人知人と電話で近況を話したときに「面白そうな本買ったの!」と色んな人に話した。

すると大抵の人は「なんか難しそう」「学術本? 高そう」と言うのだ。

 

……そんなことなくない?

 

取り敢えず値段については、似た判型の本と比べてもごく普通の値段だ。別に高いとか安いとか思わない。

内容が難しいかは読んでいない段階ではわからないが、試し読みを見る限りでは平易な言葉でわかりやすく書かれていそうな気がする。でもそうは言ってもこれは恐らく冒頭部分だろうし、具体的なキリンの身体の仕組みの話になったら難しいのだろうか。そこまで考えずに買ってしまった。

 

少し不安になりながら、家に届いた本を手に取った。表紙のイラストが可愛い。家事の合間や寝る前に少しずつ読んだ。

 

結論から言えば、中学や高校の生物の授業で聞いた気がする単語さえ知っていれば、そして知らない単語でも少しなら調べたり前後の文脈から意味を推察したりできれば、特に引っかからずに読むことができるくらい、わかりやすくて易しい言葉で書かれた親切な本だった。

そして物語としてとても面白く、語り口も親しみやすく、キリンにも詳しくなれる、素敵な本だった。

 

なにより、書き手のキリンへの熱意が伝わってくるところがよかった。

特に、

 

キリンの解剖をする機会は意外に多いので、読者のみなさんにも突然チャンスがやってくるかもしれない。

(本文14ページ)

 

とか、

 

もしもキリンについて講演する機会があなたに訪れたなら、翌日の筋肉痛を避けるために、迷わずメスの頭蓋をもって講演会場に向かうべきだ。

(本文156ページ)

 

とか。

 

「いつか推しのピックアップガチャが来るかもしれないから……」みたいなノリで、「いつかキリンの解剖や講演をする機会が来るかもしれないから……」みたいに語るこの人はきっと、キリンが「推し」なんだろう。

 

キリンを推してるキリンおたくがキリンについて書いた本だ。キリンに少しでも興味があれば、面白くないわけがない。わたしはおたくが推しの話をするのを聞くのが好きなので……。

 

そして「キリンには首の骨が8つある」という結論に至るまでの過程を物語として書かれたこの本には、解剖の手順や様子もしっかりと描かれているところが、わたしの胸を打った。

 

解剖の様子、と言っても、過剰過激な「グロい」表現があるわけではない。ただ、生き物の皮を刃物で切って剥がして、表皮の下にある筋肉や骨や腱を観察する著者の研究の様子を描いているだけだ。それでも、血で汚れないようにカッパを着て作業していることとか、研究着に死臭(腐敗臭)が染み付いてしまったエピソードとか、ある意味「生々しい」、実際その仕事をしていないと感じないであろう感覚や感情が描いてあった。(服の話ばかり印象に残っているのは、「解剖をしているのはコンピューターやロボットじゃなくて人間だ」という当たり前のことに考えが至っていなかったことを実感したからかもしれない)

 

理科の教科書や図鑑やテレビで、人間や動物の筋肉や骨格の図を見ることがある。その綺麗で見やすく描かれた図に至るまでに、こうして動物の血で汚れながら、探究心を持って生き物の身体を観察した人がいたんだな、と改めて気づいた。まあ中には「血を見るのが好きなんです……」みたいな、漫画の中のマッドサイエンティストっぽい人もいたかもしれないけど、この本の中の研究者は、解剖した動物の遺体に敬意を持っていて、一頭一頭名前やエピソードを覚えている、そんな人間味あふれる方だった。遺体をつつき回したのになにも進歩や発見が得られなかったと罪悪感を感じるくだりでは、読んでいるわたしも胸が重くなった。

 

正直に言うとわたしはグロテスクな表現がとても苦手で、先に述べたような端的な解剖の様子の表現だけで「ウッ……」と思ってしまうときもあった。でも、グロテスクなスリルを楽しむために描かれた過剰な表現ではなくて、現場の方がその身で感じたリアルな感覚なんだと思ったこと、その表現はそんなに長くは続かないこと、そしてなにより物語としてとても面白くて先が気になると感じたことで、最後まで読み切ることができた。

 

 

動物園の生き物たちは死んだらどこへ行くのかとか考えたこともなかったし、「骨格標本にされるんだよ」と誰かが教えてくれたとしても、首や脚や胴体みたいなバラバラのパーツに分けられて大学や博物館に運ばれていく様子なんて想像できなかったと思う。高速道路を走ってるクレーンつきのトラックの荷台にはもしかしたらこれから解剖されるキリンの遺体が乗ってるかもしれないなんて!!(バラバラにされずに運ばれてきたキリンの遺体のエピソードは印象的だった。クレーンに吊るされているキリンの写真も載っていた。白黒だったので、ぜひカラーで見てみたい)

 

動物園のスタッフさんは、単に動物が好きなだけじゃなくて、遺体を保管したり研究者の方に提供したりと、研究の一端を担っていること、大型動物の遺体の運搬を引き受ける運送会社があること、大学や博物館の裏では動物の解剖が行われているかもしれないこと(わたしの実家の近くの大学の名前も作中に出てきた。もしかしたらわたしが実家でぐうすか寝ている間に5キロほど離れたあの大学でキリンの遺体が解剖されていたかもしれない)

どれも知らなかったこと、想像さえしてこなかったことで、わたしの知らない世界がまだまだあるんだと思い知らされた。世界を見る目が少し変わった。

そうやって怒涛のように知らなかったことを知る体験が面白すぎて、すごく素敵な本だったという話を誰かにしたくて、だれが読むのかもわからない感想文を書いている。

 

この本の最後のあたりに、

 

ここまでこの本を読んでくださったみなさんが、読みはじめた頃よりキリンを好きになっていたら、とても嬉しい。

(本文197ページ)

 

とあった。

 

東大院卒のキリン博士とわたしみたいな一介の二次元おたくを一緒にすると誰かに怒られそうだけど、わたしも推しについて書いたとき似たようなことを書いた気がして、笑ってしまった。好きなものの話をするときって、みんなそんな気持ちで話すのかもしれないなあ。

 

確かにこの本を読んで前よりもキリンのこと好きになったので、外出自粛しなくてよくなったら動物園に行きたいと思います。前よりもキリンを見るのがもっともっと楽しくなるかもしれない。

 

 

 

 

おわり。

 

ちなみに普段わたしは平仮名で「きりん」と書くことが多いけれど、この記事の中では「キリン解剖記」の中の表記に合わせて「キリン」と片仮名で書きました。

 

 

2020.06.09 追記

なんとこの記事を著者の郡司先生が読んでくださっていて、先日ツイッターでシェアしていただきました……!

 

人によっては失礼だと受け取るかもしれない表現も多々あったにも関わらず、楽しく読んで頂けたみたいでとっても嬉しいです!

 

書いてよかったー!!!

 

ちなみにこのツイートの前に繋がっているツイートによると、キリンは瞬きの回数が少ないんだそう。

 

わたしもまたひとつきりんに詳しくなりました! 郡司先生ありがとうございます!!