読書感想文 〜英米文学者と読む「約束のネバーランド」(著:戸田慧)〜
※この記事には「英米文学者と読む『約束のネバーランド』」本書および、「約束のネバーランド」原作漫画のネタバレを含みます。
この本がめちゃくちゃ面白かったので感想文です。
約束のネバーランド、好きなんですよ。以前鬼滅の刃の完結に衝撃を受けてブログの記事にしたりしましたが、実はどちらかというとわたしは鬼滅より約ネバ派。
この本も、ジャンプ編集部“公認”考察本! ということで早々に手に入れました(“公認”ではあるし、作中のイラストの使用許可も得ているけれど、「公式解説本」ではないとのこと)。
「作画のぽすか先生もツイッターで宣伝してたし、気になる! どんな本なんだろう?」と思っている人がいるかもしれない! というお節介と、面白い読書体験を書き記しておきたい!! という真面目な気持ちのもと、紹介と感想を書いていきたいと思います。
スゴい本が出ました!公式見解ではない本ですが、学術的に考察して頂いてます、宜しければ是非ご覧ください!!🔸🔶🦉🔶🔸 https://t.co/Fhmws17iTB
— 出水ぽすか(ポ~ン)🦉🎃🦈 (@DemizuPosuka) 2020年8月18日
↑ぽすか先生も「スゴい本」って言ってる! スゴい本でした!!
この本を書いた理由について、著者の戸田先生(広島女学院大学人文学部の国際英語学科准教授だそうです)はまえがきでこう書いています。
『約ネバ』において、読んですぐに理解できることは、あくまでも氷山の一角に過ぎず(それだけでも十二分に魅力的で楽しく、そして複雑なのですが)、その下には膨大な語られざる物語が存在しており、それがこの漫画を「文学」と呼ぶにふさわしい威厳と、「ジャンプらしくない」とも表現される深い魅力を与えているのだと思います。
しかしある時期から、この氷山の隠れた八分の七を読み取るためには、ある程度の知識が必要なのでは、とも思い始めました。
そこで本書では『約ネバ』をより深く味わうための手がかりとして、イギリスやアメリカの文化や児童文学、ユダヤ・キリスト教についての基礎知識を提供し、「文学」としての『約ネバ』の解釈の可能性を紹介したいと思います。
(全て本書5pより引用)
要するに、『約ネバ』の物語やキャラクターのモチーフになっていそうなもの(イギリス児童文学とか歴史とか文化とか宗教とか)を紹介するよー! って本です。
例えば、「『約ネバ』って『不思議の国のアリス』と同じで、白いウサギ(リトルバーニー)の登場で物語が始まるよね」とか、そういう話。わたし、このリトルバーニーと白ウサギの話題で「確かにーー!!」ってシビれちゃって。「リトルバーニー」も「アリスに出てくる白ウサギ」も知っているけど、そのふたつをこんなふうに結びつけるのか!! って感銘を受けたんです。
こんな感じで『約ネバ』に影響を与えていそうなモチーフや、そのモチーフと『約ネバ』の類似点を解説してくれてます。
わたしの体感では、それらの「モチーフ」の半分……くらいは高校までの社会の授業で聞いたことがある……気がする……。でもそんなのぶっちゃけ覚えてないし、学校の授業なんて時代と学校によって変わってくるし、まだ学校で習ってない歳の読者だっているわけだし、「ココが『約ネバ』に関係してますよー!」みたいな教え方もしてもらえないので、ほぼ全部新鮮で興味深く感じました!
なにより、社会の教科書に載っているだけだったら大して面白いと思わなかった歴史も文化も宗教も、『約ネバ』と関連付けて紹介してもらえたらめちゃくちゃ面白い!!
これから学校で世界の歴史を習う中学生さんや高校生さん、ぜひ読んでみてほしいなー! と思いました!!
(ちょっと嘘吐きました。高校生の頃ヘタリアのおたくだったから世界史は面白かったし好きだった)(その話はまたいずれ機会があれば……)
ちなみに、この本のスタイルは「新書」。漫画と小説ばっかり読んでいる身からするとちょっと馴染みのないものだから二の足を踏んじゃう方もいると思います。わたしも新書とか大学生のころ以来久しぶりに読んだし、大学生のころも授業やレポートや卒論に関係あるやつしか読まなかったので、「全部読み切れるかな?」ってちょっとドキドキしていました。
でもサイズも厚さもジャンプの単行本と同じくらいだし、字もそんなに小さくない(文庫サイズの小説の方がよっぽど字が小さい)し、ふりがなも結構振ってある(流石にジャンプ漫画みたいに全部ではなかった)ので、『約ネバ』を面白く読める方なら「難しくて読めない!!」ってことはないんじゃないかなあと思います。
難しい言葉もそんなに多くない(使われているときは解説もついてる)し、語りかけるようなやさしい「ですます」調だし。そんなに気負わずに手に取って大丈夫!!
で、ここからが本題。
この本のなにが面白かったかと言いますと、「『約ネバのここが好き!』に根拠が示されていく体験」ができたところです。
わたしね、約ネバにハマった理由って、大きく2つあるんです。
ひとつめが、背景とかビジュアルのイメージ。
1話のGF(グレイス=フィールド)ハウスの時点で「あ“ーーーーーー!!!!!好き!!!!!!!」ですよ。
だってとにかく建物がカワイイ。煉瓦造りの洋風建築、尖った塔とそこに設置された大きい時計、凝った形のランプ……。
もうシルバニアファミリーの家として出してくれ!!!! 部屋に飾りたい!!!!!!
そんで、8巻からの猟庭編の舞台GP(ゴールディ・ポンド)はもっと凄い。
一軒でもカワイかったお家が、何軒も何軒も並んでいる……だと……!?
三角屋根に煙突がついたお家、四角い格子窓のついたお家が、石畳の道に沿ってずらーーっと!!
いやもうおとぎの国じゃん!!!!
64話のラストに見開きでそのGPの景色が描かれてるんですけど、ここをジャンプで読んだときには物語の展開はめちゃくちゃ不穏なのに背景のカワイさだけで脳内に幸せ物質が満ち溢れましたね……。
要はそれくらい、『約ネバ』の背景に出てくるようなちょっとレトロな洋風建築が好きなんです。わたし。
日本に実在する場所で言えば、門司港レトロとか神戸の異人館とか! 横浜も去年くらいに初めて行ったけど素敵でしたね……!!
(たぶんこの趣味はハリーポッターの映画を観て育ったあたりからきている)
で、ふたつめの『約ネバ』にハマった理由は、設定の深さと明かされ方がめちゃくちゃ面白かったからなんです。
設定って言うと途端に薄っぺらい感じがしてあんまり好きじゃないんですけど、「主人公のエマたちにとってこの世界が地獄である理由」ですね。
『約ネバ』の序盤では、この理由はわからないんです。「理由はわからないけど俺らこのままだと食われちゃうから逃げようぜ!」で話が進む。
その食われちゃう理由がね、6巻47話「昔話」でやっとわかるんですけど、このとき「ぞっっっ……」としませんでした? わたしはした。
フィクションだから、ファンタジーだから、そんなわけないんだけど、もしかしたらわたしたちが生きている現実世界のどこか裏側に「鬼の世界」が、「GFハウス」があるんじゃないか……?? と思ってしまって。
でも、この「ぞっっっ……」って「面白い」なんですよね……。物語の魅力に一気に引きずり込まれるときの感覚。「もしかしたら本当にあるかも……」っていうリアルな手触りって、フィクションをめちゃくちゃ面白くしてくれるんですよね……。
しかも、この「鬼の世界」もリアル。フィクションなのに、「鬼」という架空の存在が生きる世界の話なのにリアル。
というか、この「リアルさ」の礎になっているのが、「英米文学者と読む『約束のネバーランド』」で紹介されている、文学や歴史や文化や宗教なんだと思うんです。
(やっとこの本の話に戻ってこれた……)
47話以降、鬼たちがどんな世界に生きているのか(エマたちが暮らしていたハウスの外の世界)が少しずつ明かされます。
鬼の世界にも、「偉い人」や「金持ち」がいる。宗教がある。社会がある。その社会のモデルになっているのが、イギリスの階級制度なのでは? とか、ユダヤ教やキリスト教の言い伝えや聖書に出てくる人物がモチーフになっているのでは? とか、この本が教えてくれるんです。
こうして実際の社会がモデルになっていることで、『約ネバ』を読むときに「実際の人間の社会もこんなトコあるよね……」っていう感覚が生まれているんだと思います。戸田先生みたいに外国の文化や歴史に詳しくなくても、「どこか(社会の授業とか今まで読んだファンタジーとか)で聞いたことある話」なんです。
だから鬼たちの階級制度が理解しやすいし、初登場のキャラクターに対して「こいつはきっとこんな奴だ!」と想像が膨らむ。読み進めていって、思った通りだと気持ちがいいし、予想を裏切られても(それが納得のいく裏切られ方だったら)面白い。
本(漫画含む)を読んだり、新しいことを知るときの「面白い」の種類のひとつに、「知っていることと知っていることが繋がる」「繋がっていることに気づく」っていうのがあると思うんです。パズルのピースがハマっていくような面白さ。
この本に書いてあるような知識を持っていると、「手持ちのピース」が多くなるなあと思います。ジグソーパズルと違って「正解」はないから、沢山「知識のピース」を持っていた方が色んな繋がりに気付ける。この本はこの世にたーっくさんある「知識のピース」の中から、『約ネバ』を読んでいるときに使えそうなものを戸田先生が選んで紹介してくれている。戸田先生なりの「ピースの繋げ方」を見せてくれている。そんな印象を持ちました。
それに、「約ネバの好きなところ」として最初にハイテンションで挙げた(ハイテンションになっちゃうくらい好きなんです。目に入って最初に感じる脳直の“好き”は気持ちイイ)ビジュアル部分も、鬼の社会が外国(イギリス)の文化や社会に基づいているところから組み上がっていったのかな……と想像ができます。
もしかしたら、わたしみたいにレトロな洋風建築大好き! 海外ファンタジー大好き! っていうタイプの読者の心をまずビジュアルで掴んで、イギリスの社会や文学が礎になっている物語にどんどんハマらせるためのあのGFハウスのデザインなのかも……。
和風の世界観が好きな人と洋風の世界観が好きな人の持っている「知識のピース」の種類を見てみたら、後者の方がきっと『約ネバ』を読んでいて「使える」ピースが多いだろうし。考えすぎかなあ。
あともうひとつ、この本では少年漫画だけれど主人公が女の子であることから、「ジェンダー」に関する章も設けられています。
これもめちゃくちゃ興味深いんですけど、ネットでジェンダーの話をするのは……ちょっと……苦手……こわい……(小声)という意識を持っているので、詳しい言及はまたの機会に、気が向いたときにします。
ステレオタイプなジェンダー論(男はこう、女はこう、みたいなやつ)早く無くならねえかなあああああと思う一方で、わたし自身「少年漫画に出てくる戦う女の子が好き」という自覚があるし自分の好みのキャラクターを端的に言い表したいときにその言い方をすることがあるので、人のこと言えねえ……と思っております。
ジェンダーの話、ブーメランのように自分に返ってくるから、ムズカシイ。
以上、長くなっちゃったのでここまで読んでくれた方がいるのか心配ですが、めちゃくちゃ面白い本だった! ってことが伝われば幸いです。
読書感想文楽しいのでまた面白い本を読んだら書きたいですね!
それでは!!!
風の谷のナウシカ、面白すぎませんか?
もう1ヶ月前の話になるけれど、風の谷のナウシカを観ました。映画館で。
コロナの自粛期間が終わりつつある頃に立ち上がった、ジブリ映画の再上映キャンペーンのやつですね。
ナウシカ、何回も観たことあったし、話もぜーんぶ知ってたんだけど、でもね、あのね、面白すぎませんか??
いやそんなこと当たり前体操なんですけどね!! 今更何言ってるんだって感じなんですけどね!! 「ナウシカ面白かった」って言ったら「観たことなかったの!?」って言われるんですけどね!!!
違う!! 違うの!!!
映画館のスクリーンで、あの音響と大画面で、あの迫力で、真っ暗な中最初から最後まで集中して観るナウシカ、面白すぎる!!!!!
金曜ロードショーで観るのと劇場に脚を運んで観るのでここまで違うのかってビリビリ感動した。
映画館という空間の底力を見た。
「一生に一度は映画館でジブリを」のキャッチコピーに相応しい映画体験だった。
(ちなみに千と千尋や猫の恩返しは公開当時に映画館で観たし、この度のキャンペーンでもののけ姫も観たので“映画館でジブリ”自体は初めてじゃない)
記憶消してもっかい観たい。
どんな映画か、どんな物語なのか知らずに観に行った公開当時の人たち、羨ましすぎる……!!
というわけで、鑑賞から1ヶ月経っていますがその時のテンションできるだけそのままで感想を書いていきたいと思います。
まじで当たり前すぎることしか言っていません。
まずね、蟲の造形が不気味なのが良い。
実在する虫たちの姿かたちはモチーフとして残っていて、でも色鮮やかで沢山の目がギョロギョロしていて、巨きくて。身体が大きいが故に口も大きい。食べられちゃいそう。そして蟲たちが羽や脚や口を動かすときの、ギチギチギチギチ……っていう不気味な音。もしも実在する虫たちがあのサイズだったら、あんな音が聞こえるんでしょうか。
いちばんぞわぞわっとしたシーンは、腐海に落ちて蟲に向けて銃を打つアスベルに、フナムシみたいなかたちでウサギくらいの大きさの蟲が沢山飛びかかるところ。ひえ〜〜〜〜!!! 怖い!!!!
王蟲みたいな非現実的な大きさじゃないから余計怖い。あのフナムシお化けに自分が囲まれるところをリアルに想像してしまう。ぞぞぞ〜〜〜!!!!
テレビの小さい画面じゃなくて、映画館のスクリーンで見るからこその臨場感と迫力。正直あのシーンでこんなにぞわぞわするとは思わなかった。(王蟲の群れはスクリーンで観たら気色悪いだろうなと予想していたからそこまでダメージを受けなかった)
そんで、風の谷、トルメキア、ペジテの3国の関係、あれって言葉で説明すると結構複雑だと思うんですけど、物語の中で理解できるようになっているのが凄いなと思った。
物語のペースが緩まないというか。台詞が説明くさくないというか。
ナウシカがアスベルと和解して、ペジテに戻ったら街が蟲に襲われてたとことかびっくりしちゃいません? トルメキアがペジテを侵略したこと、森を焼こうとしていることと結び付けて、「これはトルメキアが何かしたんじゃ……?」って思っちゃうけど、実はペジテを占領していたトルメキア軍を殺すためにペジテ軍が自ら自分たちの町を蟲に襲わせたと明かされて二重にびっくり。それまでに出てきたペジテの人って、ラステルは囚われの姫ってかんじだったし、アスベルも妹の仇討ちに燃えていただけで話してみればいい奴だったしで、「ナウシカ(風の谷)の敵」とは思えなかったんですよね。でも蓋を開けてみれば、風の谷に直接厄災をもたらそうとするのはペジテの人たちなわけで……。まあそもそもトルメキアがペジテを侵略しなければ、という話にもなりますが……。
……って色々考えているうちに、説明されたわけでもない3国の関係をいつの間にか理解している。現実の地理や歴史もこんな風に理解できたらいいのに!!
あと、風の谷の人々はナウシカの味方、トルメキアの人々はナウシカの敵、って描かれ方をしてますが、ペジテの人々は風の谷を襲う(蟲に襲わせる)人と、ナウシカを助ける人の両方がいるのも印象的ですね。同じ国だからといって一枚岩ではないってこと、現実世界でも忘れてしまいがちなので……。
それとそれと、巨神兵という存在が不気味すぎて怖い。
他の設定や武器や兵器は「現代文明が崩壊したあとの話」として「まあそういう未来もあるかな……」と思えてしまうんですが、巨神兵って、アレ、なに???
ナウシカ乗ってるような空を飛ぶ乗り物とか、光線銃搭載の小型戦闘機とか、まあ技術の発展でそういうのできるかもなって思えるんですよ。そうかと思えば剣と盾で闘う歩兵がいたり、戦車がなんだかレトロだったりしていて、技術レベルがあべこべなところも、「一度発展したものが崩れたあとって、すぐに立て直せるものとそうでないものに差が出そうだよな……」とか思考の手がかりになるんですよ。
だが巨神兵、お前はなんだ。
生物兵器……? 生き物……? 旧時代(現代文明)の人々はアレを“造った”の……? どうやって……? 生体実験……? 遺伝子操作……?? 元になった生き物はなに……?
こわいこわい。映画のクライマックス、風の谷に押し寄せる王蟲の群れが、巨神兵の溶けた“亡骸”を避けて通るシーンがあるのにもぞっとする。全てを飲み込み腐海に変えてしまうはずの王蟲が、避けて通るほどのモノなの……? どうしても“忌むべきもの”なんじゃないかという想像がどんどん膨らんでしまう。でも作中では答えは明かされない。えー!! 気になる!!!!
そして風の谷に流れる自然信仰もある意味怖い。
大ババさまが語る神話、信仰。それを信じて従う谷の人々。誰も疑わないんだろうか。
大ババさまの言うことがおかしいって言いたいわけじゃない。ありのままを受け入れて、自然にできるだけ危害を加えず、慎ましく生きる。素晴らしいことだと思う。実際それを信じていたナウシカの優しい心根が谷を救ったわけだし。
でもなんつーか、王蟲の群れを見た子供との「大ババさま死ぬの?」「それが定めならね」みたいなやりとりに、わたしは怖さを抱いたんですよ。子供だけでも逃がそうとか、生き延びさせようとか、そういう発想になる人は誰もいないの? 俺だけでも逃げようとか、俺だけでも生き延びたいとか、そんな自己中心野郎もいないの?
あの状況で、谷の人みんなが死を覚悟して、定めとして受け入れるのって、谷がまるごと強烈な宗教に呑まれているようで不気味だなって思ったんですよね。
ナウシカだって、たぶんあれ死のうとしてたんじゃないかと思うんです。王蟲の子供と一緒に群れの進む先に降りたとき。ナウシカみたいに生命力の強い子が、若い女の子が、谷の人々の先頭に立って真っ先に殺されようと思うほどの信仰。いったい何なのだろう。怖いなあ。
総じて、映画館で観るナウシカは、テレビで観るよりも何倍も深くて怖くて面白くて、考えさせられる映画でした。
あの映画が、特にあのおどろおどろしい蟲の作画とか腐海の作画とか、30年以上前につくられたものだなんて本当に信じられない。アニメーションって、ひとつに芸術作品だよなあと、改めて思い知らされました。
今後ますます、観たい映画はスクリーンで観なきゃ!! という想いが強まりそうです……。
日向坂46ドキュメンタリーを観て考えたこと
昔から、女性アイドルにほんのり興味を抱いていた。
モー娘。は周りの友達が離れていくのと同時に離れたけれど、AKBが流行りだした頃も周りに合わせて鼻で笑ってみたけれど、ずっとアイドルのことが気になっていた。
それはたぶん、頑張っている女の子が好きだから。頑張っている女の子はカッコいいから。わたしはカッコいい女の子が好きだから。
「頑張っている女の子」はアイドル以外にもスポーツ選手とか女優さんとか沢山いるけれど、可愛くて歌って踊ってキラキラしているところも憧れだった。
それなのに"ハマれるアイドル"がずっといなかった理由は、女の子たちが頑張った先に、"性的に搾取されるかたち"があることに、違和感と嫌悪感を抱いているからだと思う。肌を出した衣装とか、短いスカートとか、疑似恋愛のようなファンサとか、写真集の目玉には必ず水着とか……。(こんなふうに言語化できるようになったのは最近で、「アイドルに群がってうおー!って言ってる男の人の集団、怖いな……」とぼんやり思っていた時期の方が長い)
だから、肌を殆ど隠した衣装で、カメラに媚びず、強いパフォーマンスをする欅坂46に胸を打たれた。女の子たちが頑張った先が、短いスカートでハリボテの恋心を歌う姿じゃないことに強く心惹かれた。わたしは彼女たちの虜になって、毎日のように動画や情報をチェックした。
(欅坂も歌とダンスのパフォーマンス以外ではファンサもするし、握手会で疑似恋愛みたいなやりとりもするし、アイドル雑誌のグラビアでは露出度の高い薄着のこともある……のはファンになってから知った。正直なことを言うと、やめてほしいなぁと思っている)
そんな欅坂46の側にいたのが、妹グループのけやき坂46だった。
わたしが欅坂を好きになった頃、漢字欅とひらがなけやきは一緒の活動(ライブとか握手会とか)をしていることが多くて、漢字欅を追っかけているうちに自然とひらがなけやきの情報も目に入ってくるようになった。
3年半くらい前に一度だけ行った握手会では、お目当の漢字欅の推しメン(米谷奈々未ちゃん)の他に、ひらがなでお気に入りだった影山優佳ちゃんとも握手した。高瀬愛奈ちゃんからはレーンの向こうから手を振ってもらうというファンサも貰った。
そうやって、「ひらがなけやきも可愛いな、頑張ってるな、応援したくなるな」と思っているうちに、ひらがなけやきはどんどん成長していった。みるみるうちにライブの会場が大きくなり、漢字欅に頼らない単独のドラマや冠番組や舞台も増えていった。突然降って湧いた武道館3daysも成功させ、単独でアルバムを出し、とうとう欅坂から独立してシングルデビューすることになった。
日向坂46の誕生だ。
日向坂46はいつも、キュンキュンキラキラな恋心を歌う。「アイドルが性的に搾取される姿」が好きじゃないわたしにとっては、正直言ってタイプじゃない。可愛いのは可愛いけどその歌詞に共感したり憧れたりすることはない。ぶっちゃけ何が言いたいかよくわからん曲だなぁと思うこともある。
それでもわたしが日向坂を見てしまうのは、「昔からずっと知っている子たちだから」という部分が大きい。「わたしたちなんて……」という気持ちを隠し切れてない控え目な笑顔で遠いレーン越しに手を振ってくれていたまなふぃが、キラキラニコニコフェイスで歌って踊ってたら「良かったねぇぇぇぇぇぇ 可愛いねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」って思っちゃうじゃないですか!!日向坂がニコニコ歌って踊ってるのを見ると、いつも胸があったかくなって嬉しくなって、「カワイイの天才!」って言っちゃう。甥っ子とか姪っ子の頑張りを見てる心境ってこんな感じかな、と思う。何しててもカワイイ。
そんな日向坂46のドキュメンタリー映画が公開された。
サインポスター!!!
(田舎から今の街に越してきてから、映画館やCDショップで色んな芸能人のサインポスターを目にするようになりました……。都会って凄いなぁ)
けやき坂の頃からずっと見てるからだいたい知ってるけれど、映画になるって凄いなぁと思って観に行った。映画館で映画観るの、好きだし。
メンバーへのインタビューと、レッスン中やステージ裏で回したカメラで撮った映像、それに過去のライブ映像で構成されたドキュメンタリー。知っていたことも知らなかったこともあった。メンバーの心境も語られていた。
結成したとき、デビューしたとき、メンバーが抜けたとき、沢山のエピソードに、アイドルの涙が映っていた。悔し涙や、悲しい涙や、感動の涙。アイドルが泣くとわたしも涙が出てきた。たぶん5回くらい泣いた。一度だけ行った握手会を思い出した。時間ギリギリまで手を握って話してくれた影ちゃんや、10メートルくらい遠くから手を振ってくれたまなふぃ。きっと必死だったんだね。ぜったい泣くと思って一番後ろの席取っといてよかった。
わたしが日向坂46を好きなのは、申し訳ないけど「曲が好きだから」ではない。この映画で描かれているみたいに、壁にぶつかっては乗り越え、ぶつかっては乗り越え、自らの手で道を切り開いてきた経歴がカッコいいからだ。その中で生まれてきた、人と人との繋がりに胸を打たれるからだ。
でもね、こうやって日向坂の経歴が、ひとつの感動ストーリーとして語られるのを見るたびに思うんです。
わたしたち、他人の人生を、娯楽として消費してない????
彼女たちは必死なのに。約束された成功なんてどこにもなかったのに。彼女たちは、わたしたちを感動させるために泣いているわけじゃないのに。最終的に良いパフォーマンスをして感動させたいという気持ちはあるだろうけれど、泣いている姿そのものを晒して感動させたいわけじゃないでしょう?
日向坂の笑顔にエネルギーを貰ったのとは裏腹に、アイドルの人生をフィクションのストーリーと同じように消費することへの違和感を抱きながら映画館を出た。
ステージの裏側や本人たちの心境を知れば感動して親近感を抱いてアイドルのことをもっと好きになるけれど、他人の人生を消費する気持ち悪さはいつまで経っても消えないなぁ。
この話、欅のオンラインライブ観た後にもしてますね……。
わたしはアイドルファンに向いてないのかもしれない……… と悩むけれど、きっと来月の欅坂のドキュメンタリーも、観に行くんだろうな。
割り切り方かアイドルからの離れ方、誰か教えてください!!
「欅」っていう字が書けるようになったよ
わたしは小林由依ちゃんが好きです。
3人くらいぽろぽろっと辞めたのに続いてねるちゃんも卒業するってなったとき、「わたしたちはどんなことがあっても前を向いていなくてはいけないお仕事をしています」ってブログに書いていたのが格好よくて、好きになった。
最初は米谷奈々未ちゃんがずっと好きだった。賢くてシャイで少しドライなところとか、でもファンと後輩(当時のけやき坂46)想いのところとかが好きだった。欅坂メンバーには照れ隠しのようにちょっと冷たいところもカワイイなって思ってた。あんまり前の方に出てこない子だったけど、テレビに出てるときチラッとでもよねさんの笑顔が映ると幸せになれた。
でもそんなよねさんが卒業しちゃって。よねがいた場所を他の子が埋めているのを見るたびに泣いていた。
そんなときに、ゆいぽんの「どんなことがあっても前を向いていなくてはいけない」って言葉を読んだんだよね。
↑この記事です
↑このブログも好きです。最初に卒業していった3人のことを書いた記事。
ただのファンのわたしよりもずっと寂しくて不安なはずなのに、そうやって意思表示するところが格好いいなって思った。3周年ライブで、「渋谷川」をひとりで歌ってるのを見て、強い子だなって思った。強いから自然に前を向けるんじゃなくて、「前を向いていかなきゃいけない」って意思を持って強く在ろうとして前を向いてるんだなって思った。じゃあわたしも前を向いて行こうとしているこの子を応援したいなって思った。
平手が怪我をして欅坂全員が武道館に立てなくなったとき、凄く悔しかったって言ってたのも、グループの活動が少ない時期にモデルやドラマの仕事を一つ一つこなして、ブログで丁寧に宣伝しているのも、全部「どんなときも前を向いていなくてはいけない」という言葉に繋がっている気がして好感を持った。
昨日の配信ライブでのゆいぽんは、凄く凄く凄く美しくて格好良かった。気迫があった。「でもセンターの子辞めたんでしょ?」って私に言ってきた奴ら全員に、この子を、このライブを見せたいと思った。「"代理センター"なんて言わせない」って伝わってくるようだった。「てちにしかできない」って言ってた自分が恥ずかしくなった。てちのパフォーマンスはてちにしかできないけど、ゆいぽんのパフォーマンスもゆいぽんにしかできないよ……。(ぶっちゃけてちはムラと怪我が多いことを知ってる分見てる時にずっとハラハラしちゃうので、こっちのがパフォーマンスの格好良さに集中して観れる)
でも、きっと、それだけ格好いいパフォーマンスができたとしても、「欅坂」って名前にこびりついたスキャンダラスなイメージは払拭できないって判断されてしまったんだろうな。それがすごく悲しいし、悔しい。「てちにしかできないパフォーマンス」から脱皮するときに、「欅坂」っていう名前が抱える「平手友梨奈」のイメージは足枷だと判断されてしまったのかな。
「欅坂が好き」って言うと、「センターの子が倒れたとこ?」って言われるんですよ。それ、好きって言ってる人に向かって言う??? って思うんだけど。でも実際言われるんですよ。何年前の話しとんじゃ。
たぶん、相手の人はこっちを不愉快にさせようとしてると言うよりも、それしか知らないからそれしか言うことがないんだろうなぁ。「なんで倒れたの?」「今は元気なの?」みたいな、下世話な週刊誌の記者か??? って思うようなこと聞かれることさえある。知らないよ。わたしはあなたが読むような下世話な週刊誌や匿名掲示板の情報は見ないようにしてるから、公式のHPやブログとテレビとラジオと、せいぜい雑誌のインタビューで公にされてることしか知りません。
ただのしがないファンのわたしですらこんなやりきれない思いをすることがあるんだから、本人たちがぶち当たるものはもっとキツいんだろうなって想像がつく。
だから、きっと、名前を変えようってことになったんだと思う。わたしはゆっかーのMCをそうやって受け取った。
今は「ライブめちゃくちゃ格好よかった!」っていう高揚と、「欅坂という名前がなくなってしまう」という悲しさで板挟みで、心の真ん中でちゃんと受け止めることができてない。でも、これから先もこの子たちが踊る姿が見たいなって沢山思うよ。
そしてこういうことがあるたびに、生身の女の子の貴重な人生を、ストーリーとして楽しみ消費している自分に気づいてぞっとする。アイドルってそういうものだし、もっと話を広げるとオーディション番組とかスポーツ選手とかもみんなそうなんだけど。
3次元の推しを推す心、深淵を覗くようだなぁ。
呪術廻戦はいいぞ
………いやもうこのPVだけでプレゼンになるんじゃね????(盲目)
というわけで、この秋アニメ放送開始予定のめちゃくちゃ面白い漫画、呪術廻戦の話をします。
気になってる人、聞いたことあるけど読んだことない人、今ならまだアニメに間に合う!!!
張り切っていきたいと思います。
そもそも呪術廻戦とは、週刊少年ジャンプで連載中のバトル漫画です。
単行本は現在0巻〜11巻まで発売中。0巻というあんまり目にしない巻数カウントがありますが、詳しくは後述します。本編の合間の出来事やサブキャラたちの日常を描いた小説版も2冊刊行されています。
この記事では独断と偏見に基づいて、大したネタバレにならない程度にストーリーやキャラクターと紹介しつつ、わたしが好きなポイントを語りたいと思います。
でもこういう記事で少しもネタバレしないのは無理! なのでネタバレ一切踏みたくない人はこの先を読まずに呪術廻戦を読んでください。
〜呪術廻戦のあらすじ〜
主人公は50メートルを3秒で走れる以外はごく普通の高校生、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)くん。虎杖くんはとある事件に巻き込まれて、呪いの王「両面宿儺(りょうめんすくな)」の指(の木乃伊)を飲み込んでしまう。アニメのティザービジュアルにどーんと描かれているこれが「両面宿儺の指」です。
#ジャンプフェスタ2020 にて #呪術廻戦 ティザービジュアル解禁!https://t.co/xObNF7q6TO#呪術廻戦 pic.twitter.com/eqFrGz9pin
— 『呪術廻戦』アニメ公式 (@animejujutsu) 2019年12月21日
普通こんなん食べるものじゃないし、もし食べたとしても死ぬ……はずなのに、何故か虎杖くんは生還する。しかし指に残っていた「両面宿儺」の魂も一緒に飲み込んでしまったため、宿儺と肉体を共有することになってしまった!!
こうしてひとつの肉体に虎杖くんと両面宿儺という二つの魂が宿るところから始まる、わくわく二重人格ライフ!!!!
……こんな感じのお話です。(嘘は言ってない)
〜キャラクター紹介〜
主人公。1巻の表紙の人。普通の高校生だったが、宿儺の指を食べたばかりに東京都立呪術高専に編入する羽目になる。1年生。両面宿儺と肉体を共有している。超人レベルに身体能力が高い肉弾戦ゴリラだけど、顔の可愛さが全てを中和している。色々あって死刑の執行猶予期間中。
両面宿儺(りょうめんすくな)(cv.諏訪部順一)
虎杖くんと肉体を共有している呪いの王。趣味は鏖殺。まじまじのまじで外道なのに肉体を共有した相手が虎杖くんだったため、虎杖くんの顔の可愛さが全てを中和している。後述する伏黒くんを推している。
五条悟(ごじょうさとる)(cv.中村悠一)
4巻の表紙の人。都立呪術高専の先生。虎杖くんの担任。最強の呪術師。この人が本気出せばたぶん人類みんな殺せる。「照れるなよ。こっちまで恥ずかしくなる」「少し乱暴しようか」「もっと欲張れ」等、乙女ゲームみたいな台詞をぽんぽん吐くヤバい奴。顔も良いし声も良いことが決まったのでもう優勝。ベビー時代、ショタ時代、青春(高校)時代等色んな時期の描写があり、福利厚生が手厚い。アニメが始まったら覇権を取ると思う。情緒に悪い。
伏黒恵(ふしぐろめぐみ)(cv.内田雄馬)
2巻の表紙の人。都立呪術高専1年生。名前は「めぐみ」ですがれっきとしたオトコノコです。虎杖くんのクラスメイト。言い忘れてましたが1年生は合計3人しかいません。善人ぜったい助けるマン。シスコン。虎杖くんにクソデカ感情を抱いている。軽率に命を掛けがちだけど呪いの王の推しなので生き残ると思う。
釘崎野薔薇(くぎさきのばら)(cv.瀬戸麻沙美)
3巻の表紙の人。虎杖くんのクラスメイト。3人の1年生のうちのひとり。紅一点のはずなのに作中トップクラスのイケメンで、読者からは「野薔薇姫」「野薔薇嬢」「野薔薇様」等と呼ばれる(わたし調べ)。武器と口の悪さが悪役のソレ。敵対した相手を絶対に煽る。たぶん初手コマンドが「煽り」しかない。
てかついさっき公式ついったー見たらキャラのピックアップ動画きてたから見て……。
TVアニメ『#呪術廻戦』
— 『呪術廻戦』アニメ公式 (@animejujutsu) 2020年7月13日
2020年10月よりMBS/TBS系全国28局ネット"スーパーアニメイズム"枠にて放送開始‼
虎杖悠仁(CV #榎木淳弥)
呪いの王・両面宿儺の猛毒に耐えられる千年生まれなかった逸材。それを使命と受け入れ、間違った死を阻止するべく、呪いを廻る戦いに挑む。https://t.co/ORRByEyauI pic.twitter.com/JUgSeSOa3c
本当は2年生キャラとか京都校とか敵キャラとか色々書きたいけど、長くなると読むの疲れるのでこれくらいにしますね……。
〜呪術廻戦のこの関係性がアツい 2020〜
ここからは、関係性おたく(キャラクター同士の人間関係に胸を掴まれがちなおたく)であるわたしがめちゃくちゃ"アツい"と思っている関係性を紹介します。この記事のサビです。
①虎杖悠仁と両面宿儺
多重人格のキャラクターや双子のキャラクターで「同じ顔CP」を妄想するおたくたち〜〜〜!!!! 身体を共有している主人公と呪いの王はいかがですか!?!?
身体を乗っ取りたい呪いの王と、その王を消そうとしている主人公。虎杖くんがいたから宿儺サンは現世に復活できたようなモノだし、なんなら宿儺サンは一度虎杖くんの命を救ってるけど、根本が分かり合えない!! 主人公と悪の王だから!! そんな同じ顔のふたり、いかがですか?????
②虎杖悠仁と伏黒恵
「呪いの王と身体を共有する羽目になった虎杖くんは危険なので殺すべき」と頭ではわかっているけれど、虎杖くんは善人なので殺したくないと私情を出しちゃう伏黒くん。もう2話のこの展開でヤバ。伏黒くんは善人ぜったい助けるマンなんですけど、それってつまり「善人じゃない人は……」ってこと。対する虎杖くんは「できるだけ多くの人を助けろ」というじっちゃの遺言を胸に生きてる。はぁ〜〜〜〜 すれ違い〜〜〜〜……………。
③五条悟と夏油傑
夏油傑(げとうすぐる)は敵キャラ。呪術を使って人を殺したり悪いことしたりしてる呪詛師と呼ばれる存在。
ぶっちゃけこのふたりのどこがどうヤバいか語ろうとすると全部ネタバレになる……。ネタバレを踏まずに本作を読んで「エッ? まじで? このふたりヤバない?」って思ってほしい。
ひとつだけ言うとしたら、五条サンの普段の一人称は「僕」なんですけど、夏油サンの前では「俺」になるんですよね……。つまりそういうふたりです。情緒に悪い。
他にもめちゃくちゃ語りたいんですけど、長くなると読むのが疲れると思うのでこの辺にしますね(2回目)…………。
〜0巻も是非読んでくれ〜
最後に、呪術廻戦を読むにあたって「0巻」もぜったい読んでほしい!! というわたしの心の叫びを聞いてください。
呪術廻戦の0巻は、1巻からの本編の前の年度に東京都立呪術高専で起きた事件を描いた漫画。所謂前日譚です。本編では2年生(主人公虎杖くんたちの先輩)として登場するキャラたちの、1年生の頃が描かれています。
この話は、呪術廻戦の連載より前に、週刊少年ジャンプの増刊誌「ジャンプGIGA」で4話に渡って連載されたものです。その後、この話をプロトタイプにして呪術廻戦が描かれ、ジャンプ本誌で連載されています。ちなみにGIGA掲載当時は「東京都立呪術高専」というタイトルでした。
要するに、呪術廻戦の0巻は、その一冊だけでひとつの物語としては完結しているものの、1巻以降の本編と同じ舞台やキャラクターが登場し、時には本編のストーリーにもがっつり絡んでくる、本編をよりしっかりじっくり味わう為に必携の一冊なのです!
なんでこんなに必死なのかというと、0巻の主人公、乙骨憂太(おっこつゆうた)くんが私の推しだからです…………。
〜呪術廻戦0巻キャラクター紹介〜
乙骨憂太
0巻の表紙の人。享年11歳の恋人リカちゃんに取り憑かれている。所謂おにロリ。元虐められっ子だけど取り憑いてるリカちゃんがクソ強いのでクソ強い。普段のふわふわオーラと戦闘時のカッコよさの温度差でおたくは風邪をひく。
乙骨くんは0巻の主人公でめちゃくちゃカッコいい強キャラにも関わらず、本編にはまだ殆ど出てきてないのです……(0巻の他のメインキャラはだいたい本編に出ている)(乙骨くんは名前と回想でしか出てこない)。だがしかし、作者の芥見下々先生から、今後乙骨くんも物語に登場すると明言されています。
【芥見先生の回答公開!】回答その2です!質問をしてくれた方、ありがとうございました! pic.twitter.com/X6jwf0wVge
— 呪術廻戦【公式】 (@jujutsu_PR) 2018年12月23日
※ジャンプフェスタ2019の企画で募集された読者からの質問への回答
このQ&Aが2018年……。1年半前……。おたくは1年半もの間ずっとキミの登場を待っているよ乙骨くん……。
ところでこの0巻っていつ、どのタイミングで読めばいいの問題。わたしのおすすめは次のうちどれかのタイミングです。
①0巻から読む
作品が世に出た(雑誌に掲載された)順に読んでいくパターン。1巻以降の本編で0巻のキャラが登場したときに。「お! コイツ知ってるぞ!!」ってなる気持ちを味わえます。作中の時系列順でもある。
②3巻と4巻の間に読む
0巻が刊行されたのが3巻と同時だったので、単行本の出版順で読むとこのタイミング。4巻の途中から始まる「対抗戦編」では、0巻にも出てくるキャラ(都立呪術高専の2年生)が大活躍します!
③7巻と8巻の間に読む
8巻の途中から始まるあるキャラの過去編では、0巻に出てくるキャラクターが大きく関わってきます。むしろメイン。この時までには是非読んでいてほしい……。過去編の「重み」が違います。
というかまあぶっちゃけいつ読んでもいいんだけどね!!
「え、呪術廻戦、面白いね……」と思ったときが0巻を読むタイミング!! なぜなら0巻を読めば呪術廻戦がもっと面白くなるから!!!!
そしてアニメ製作サイドの皆様、0巻のエピソードのアニメ化も……是非お願いします……。動いて喋る乙骨憂太が見たいよ……。
〜まとめ〜
呪術廻戦が気になったそこのあなた!
単行本0巻〜11巻と小説版2冊が好評発売中!(2020年7月現在)
そして今秋からはアニメも放送予定!
今ならまだ間に合う! 是非呪術廻戦を読んでください!!!
最後になりますが、ナナミン推しの知人から「ナナミンのこと書かないの?」と言われたので近々キャラ紹介拡大版を書きたいと思っています。よろしくお願いします。
おわり。
ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄があるらしい
※この記事は課金システムがあるソシャゲや、ソシャゲに課金する人を否定するものではありません。人に迷惑をかけない範囲で、楽しく思える範囲での課金は問題なし!派です。みなさん楽しい課金ライフを!
ディズニーツイステッドワンダーランドというソシャゲがある。
これは、普段全然ソシャゲをやらないわたしがそのゲームにハマり、生まれて初めてソシャゲに課金したときの記録です。今後ソシャゲに課金することに疑問を覚えたり、逆に課金しすぎて生活が苦しくなったりするかもしれない。そんなときに初心を思い出すために書き残しておきます。
さて、ディズニーツイステッドワンダーランドとは何か。今更わたしなんぞが紹介しなくても問題ないくらい人気のゲームですが、少しだけ説明しておきます。(もし間違った記載があったらこっそり教えてください)
ディズニーツイステッドワンダーランド(通称ツイステ)は、ディズニー作品の設定や世界観を基に作られたRPG。「ディズニー」と名前に入っているしディズニー社公認ですが、日本のゲームです。
大きな特徴は2つ。
①ディズニーの中でも、特に「ヴィランズ」と呼ばれる悪役の特徴を引き継いだキャラクターが多いこと。例えば「不思議の国のアリス」のハートの女王とか、「世界で一番美しいのはだあれ?」でおなじみの「白雪姫」の女王様とか。
②そうやって作られたキャラクターがみんなイケメン男子。カワイイ系からワイルド系まで! キャラクターとの会話ややりとり(恋愛含む)を楽しみたい「夢女子」とか、男キャラクター同士の恋愛模様を想像したい「腐女子」に人気が出るやつですね。ちなみにキャラクターデザインは「黒執事」を描いた枢やな先生。細かい装飾が多くて厨二心に刺さるデザイン、わたしめちゃくちゃ好きです。枢先生はカードイラストの原画やストーリーのシナリオも担当されています。
作中には自分で名前が設定でき、ビジュアル設定が決まっていない主人公(ゲーム中で多くのキャラから「監督生」と呼ばれるので、この記事でも「監督生」と呼ぶことにします)が存在していて、その監督生に感情移入したりしなかったりしつつストーリーを読み進めるタイプのゲームです。
ストーリーを私なりにざっと説明してみます。
監督生は何故か(この辺はまだ本編で明かされていないので曖昧ですみません)「ツイステッドワンダーランド」と呼ばれる世界にある魔法学校「ナイトレイブンカレッジ」の生徒になります。魔術師が通う学校です。その学校には7つの寮があって、それぞれの寮に生徒……もとい、イケメン(ネームドキャラは各寮2〜5人)がいます。で、何故かその学校で起こる色々なトラブルや事件に巻き込まれて、各寮のキャラクターと一緒に解決していきます。解決する過程で監督生はイケメンたちと仲良くなれたりなれなかったりします。でもだいたいみんな監督生に優しい……というか甘い気がする。
果たして、監督生は何故ツイステッドワンダーランドにやってきたのか!? そもそもツイステッドワンダーランドとはなんなのか!? 監督生はもとの世界に戻れるのか!?
こんな感じの話です。
言い忘れていましたが、先述の7つの寮にはそれぞれ基になったディズニー作品があります。「リトルマーメイド」とか「アラジン」とか。各寮のイケメン達は基の作品のキャラクター(特に悪役)にちょっとデザインや名前や性格が似ています。複数のキャラクターの特徴を併せ持つイケメンもいます。寮の背景や服装も基になる作品のイメージを彷彿させるデザインになっています。
ゲームの内容は、ストーリーを読み進めるのが8割くらい(わたしの体感です)。ストーリーの途中で時々バトルパートがあるので、そこで勝つためにガチャで出たカードを育成しなければなりません。また、「リズミック」と呼ばれるリズムゲームも途中で挟まりますが、これはできてもできなくてもストーリーは進むのであんまり重要じゃない(正直このリズミック上手くても報われないスタイルは改善してほしい)。
要はストーリーを読んで、好きなキャラを手持ちに入れるためにガチャを引いて、出たカードを育ててまたストーリーを進める、というタイプのゲームです。
わたしはそんなにソシャゲをやらないからよくわからないけど、こういうシステムのソシャゲは割と多いんじゃないかな……。
ツイステの説明だけで1000字超えたよ……。びっくり。
で、なぜ普段ソシャゲをやらないわたしがこのゲームにハマったのか。その話をする前に、わたしがなぜ今までソシャゲにハマらなかったのかをお話しします。
①ストーリーを読むのがだるい
だっていくらイケメン声優がイケボで喋ってくれるって言っても、台詞を聴くより出てる文字読む方が断然早いじゃん。でもせっかくのフルボイス、喋ってくれるのを飛ばすもの勿体無いし……。スマホを持ってもう読み終わってる台詞をイケメン(もしくは美少女)が喋るのをじりじり待つ……。あれがとにかくだるくて、ストーリーを読み飛ばしがちになってしまう→キャラに愛着が湧かない→ガチャもバトルも楽しくない→辞める のパターン
②レベル上げがだるい
プレイヤーランクやカードのレベルを上げるために同じゲームやバトルを何度も何度も何度も何度も周回……。気が狂いそう! でもレベルを上げないとゲームを進められない→レベル上げと進まないストーリーに飽きる→辞める のパターン
③ガチャ運がない
①と②が原因でどのゲームも「課金するほど好きじゃない」になってしまう。すると引ける回数も少ないので、もし気に入ったキャラがいてもまあ出ませんよね。ツイッターにいる「一発で推しを引く人」あれ何者なの!?
そんなこんなで今までで一番長く続いたソシャゲは学生のころ3年くらいやっていたスクフェス(ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル)。これは音ゲーとして楽しんでいたのでガチャの引きが悪くてもあんまり気にしなかった。ストーリーも全然読まなかったけど音ゲーができれば良かったので問題なかった。音ゲー自体が楽しいのでレベル上げも苦じゃなかった。音ゲーとしての難易度も私にちょうどよかった。未だにμ'sの曲聴くとスクフェスのシャンシャンするリズムの幻聴が聴こえる……。
ところが機種変したときに引き継ぎ失敗してデータが消えてしまって!! 泣く泣くもう一回始めましたが、ちょうどその頃にAqoursに代替わりしたこととか、社会人になったから毎日毎日しゃんしゃんやったりイベントポイント集めたりする余裕がなくなったこととかがきっかけで、やめてしまいました……。ちなみに推しはにこにー。
他にも、あんすた? とかアイナナ? とか(「同じ頃流行り始めたイケメンアイドルのソシャゲ」と認識してるので未だにどっちがどっちかわかってない)、FGOとか、周りのおたく女がやってるゲームはいくつかインストールしたことがあるんですけど、どれも全く続かなかった。
FGOに至っては3回始めて3回とも1週間くらいで辞めた。それどころか、2回目も3回目も以前インストールしたことのあるゲームだと気づかずに始めた(名前を覚えてなかったので)。そして2回目も3回目も「はじめてやるゲームだと思ってたけど……これ前にやったことあるな……?」とチュートリアルの途中で気づいた。3度目ましてだねマシュ。自分が全くこのゲームに興味を持てない、心を動かされないと覚えたので私はもうたぶんFGOはやらないと思う。
最近では、かつて熱中したラブライブシリーズの新作「スクスタ」がリリースされたときとか、子供のころ大好きだった犬夜叉のソシャゲ「いぬよみ」がリリースされたときは張り切ってインストールしました。でも、スクスタは1ヶ月程度、いぬよみは2週間程度でやめてしまった。ゲームシステムについていけなくて……。
そんな私だけど、このたびのツイステは、それこそ生まれてはじめて課金するほどハマってしまっています。
何故か?
上記の「ソシャゲにハマらなかった理由」が解消され、ストーリーを進める中で「推し」と呼べる存在に出会えたからです。
まず上記の①ストーリーを読むのがだるい について。
これについてはわたしがツイステを始めたきっかけからお話します。
ツイステはサービス開始当初からツイッターで話題に上っているのを見ていました。しかし、直接わたしに勧めてくれたのは職場の先輩です。
「最近始まった、ディズニーの、黒執事の人がキャラ描いてるゲーム、面白いよ」
そう、わたしは職場の人との共通の話題が欲しくてこのゲームを始めたのです。
勧めてくれた先輩に、「話題は目にするので気になってはいるけど、こうこうこういう理由でソシャゲが続かなくて……」と話しました。すると先輩が「ストーリーとか、オートで喋ってくれるようにしてBGMにすればいいんだよ」と教えてくれました。
なるほど!! 目から鱗でした。
ソシャゲのストーリーは「読む」ものだとばっかり思っていたけれど、せっかくフルボイスで喋ってくれるから「聴く」ことにすればいいのか!
こうして、料理をしているときとか、化粧をしているときとかにツイステのストーリーを「聴く」スタイルが出来上がりました。
まあこれはフルボイスでオート再生機能があるゲームならどれでも使える技なので、特にツイステがわたしに合っていたという話ではないです。先輩の助言と布教が的確だった。
ちなみに、どっぷりハマってしまった今は作業BGMにしていたつもりが画面に見入ってキャラの表情まで楽しみながらストーリーを追っている……ということもよくあります。
そして②レベル上げがだるい について。
これはツイステのシステムが飽き性なわたし(とその他ソシャゲが続かない人たち)に合わせてくれたと言えます。
ツイステのレベル上げは、バトルやストーリーとは別のいわば“レベル上げ&素材集め専用ステージ”(「授業」と呼ばれています)で行うシステムです。で、その「授業」は、一旦レベルを上げるカードを選んでしまえば全てオートで周回してくれるのです。授業で消費する「AP(所謂「スタミナ」。時間が経てば回復する、ゲームを進めるためのポイント)(APって何ポイントの略か実はわかってない)」が尽きるまで、何も触らなくても勝手に経験値が貯まる。素材も集まる。わたしはその間に他のことができる。
これ、わたしみたいな“ソシャゲ続かないマン”も取り込む為に作ったんだろうなあ。それとも最近のソシャゲはみんなこうなんでしょうか……?
ともあれ、このシステムのおかげでわたしは「クソだるい」レベル上げに苦労せずにゲームを進めることができています。わたしはワルなので「授業」中に寝ている。
そして③ガチャ運がない
運がないなら課金をすればいいじゃない!!!
そう。①と②を克服してツイステに推しを見つけた私は、ついに生まれて初めてのガチャ課金に手を出しました。
彼の名はジャミル・バイパー。
はあ……今日も美人だね……。
正直最初は完全にノーマークでした。
私は基本「かっこいい女キャラ」か「可愛い男キャラ」が好きなので、リドルくんとかエペルくんとかお顔がカワイイボーイにハマると思っていた。それかウチヤマボイスが好きなのでイデア氏。彼が所属するスカラビア寮ならどちらかと言えばカリムくんのが好みだと思っていた。
でも気づいたらジャミル・バイパーが好きだった。
そもそもジャミルくんと同じ寮のカリムくんが「ジャミルが作ってくれる飯は旨い」って吹聴して回ってるのが全てのはじまりでした。
「え……? このクールでビューティーボイス(わたしはジャミルくんの声も好きです)な吊り目のオトコノコが、トモダチの為に美味しいご飯を作るの……? そんなの“愛”じゃん……」
(わたしは「ご飯を美味しそうに食べる子」と「美味しそうなご飯を作る子」にも弱い)
ツイステ4章をクリアされた方はこの先私に待っていた地獄がもう想像できたと思う。
何はともあれ、カリムくんが「ジャミルの飯」の話をするのが可愛いすぎた。わたしは次第に「カリムくんが話して聞かせてくれるジャミルくん」「カリムくんと一緒にいるジャミルくん」を好きになりました。
ここでわたしがツイステを始めた時期について少しお話します。
わたしが始めたのはコロナのせいで何処にも出掛けられずひとりぼっちな5連休を過ごしていたGWの最後の方。それまでは気になりつつもインストールしていませんでした。
始めた時はメインストーリー3章まで公開されていました。しかし、ストーリーを読む為には例のオートで周回してくれる「授業」でプレイヤーランクを上げなければならないので、すぐには3章まで読めません。
わたしがじりじりランクを上げ、ストーリーを読み、またランクを上げ……としている間に、メインストーリー4章の前編、中編が公開されました。ツイッターでは公開と同時に4章を読んだ方々の感想やイラストや考察が溢れ、わたしが気になるジャミルくんもその中にいる……。でもわたしはランク上げが追いつかないからまだ3章を読んでいる……。もどかしい日々が続きました。
そして毎日毎日授業を周回し、なんとか4章の後編の公開にはリアルタイムで立ち会うことができるようになりました。
数年前ジャンプ単行本派から本誌派に乗り替えたときの気持ちを思い出したよ。
そして6月1日。4章後編が公開。
詳細は割愛するがわたしは悲しかった。
ツイッターではわたしと同じように地獄を見たような顔(ツイッターでは顔見えんけど)をした人で溢れていた。みんな悲しくて辛いんだと思った。
そんな中で、一縷の希望のような噂を目にした。
「4章後編公開と同時に実装されたジャミルSSRのカードを手に入れると読めるストーリーが救いらしい」
……読むしかないやん。
ジャミルSSR実装と同時にピックアップガチャも開催されていました。既に手持ちの石がなくなるまで回したものの、SSRはまだ手にしていませんでした。
……課金? 課金か??
まあ今までソシャゲやらなかったわたしがこれだけ楽しませてもらってるんだから、お布施というか、お礼として多少お金を払うのはやぶさかではない。いつかどこかで「ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄がある」と聞いたことがあるけど、死んだ後堕ちる地獄のことなんて信じてねえし。ガチャに課金しただけで地獄行きならあの子もあの子もあの子もみーんな仲良く地獄行きでしょ。問題ない。つーか地獄なら4章で既に見ている。
チャリーン(電子決済の効果音)
課金額でマウントを取る風潮が嫌いなので、幾ら使ったかは割愛させていただきます。
とにかくわたしはゲーム内で集めることができる無料石も極力取りこぼさないよう集めながら、ちょっとずつちょっとずつ課金しました。そして、「これくらいなら衝動買いにつかってもいいかな」と思える値段くらいまではお金をかけました。
……が、まだSSRは出なかった。
この時点で回した回数は85回。ツイステのSSR排出率は1.5%。これくらいになると、「ぶっちゃけそろそろ出るんじゃない?」という気持ちが顔を出し始めました。というかジャミルピックアップだけで85回で、他のガチャも合わせたらもっと回してるのに一度もSSRを手にしてない(最初のSSR確定ガチャを除く)んだから、確率的には来てもなんらおかしくない。というかやっぱりガチャ運ないなわたし。
それに、ツイステのガチャは「同じガチャ100回目には必ずSSRが出る」というシステムになっている。あと15回回せば確実にSSRは出る(ジャミルピックアップとはいえ確実にジャミルかどうかはわからないけど、排出率は高いのでジャミルの可能性は高い)。
ああ、これが「ソシャゲのガチャに課金した者だけが堕ちる地獄」か。
そのときにやっと理解しました。
死んでから落ちるんじゃないのか。今世で地獄を知るのか。
用意していた金は注ぎ込んだ(そもそもわたしは大した額を用意していなかった)。
でもまだ出ない。
でも排出率的には、もしかしたら、次で出るかもしれない。次の次で出るかもしれない。これで引かなかったら後悔するかもしれない。
そんな疑心暗鬼。未来の自分との心理戦。財布とわたしの首脳会談。
ぶっちゃけ今思い出して書いてるのすら苦しい。あの判断が正しかったのかわたしにはわからない。
ちなみにわたしがどんな判断をしたかというと
無事引くことができました。
こうしてわたしはこのカードのストーリーに心を救われ、今では4章を読む前よりももっとジャミル・バイパーのことが好きになりました。
おわり。
そういえばこのブログ、車を買った話とか推しのベースの話とか、お金が無いが故に悩んでいる記事が多いですね。まあ金はいくらあっても足りないよね……。おたくだし……。
読書感想文 〜めんどくさがりなきみのための文章教室(著・はやみねかおる)〜
はやみねかおる先生だーーーーー!!!
と思って買った本です。
わたしはこのブログを「さくぶんれんしゅう帳」と位置付けているように、「作文がうまくなりたいな〜」「楽しい暇つぶしくらいにはなる文章が書ければいいな〜」とこっそり思っています。そんなわけだからツイッターでこの本のことを知ってぴゃっと購入しました。
最近のわたし、Amazonで本をポチるハードルが異様に下がっている。
注文したときは増刷待ちだったので手元に届くにはちょーっと時間がかかりました。でも本が届くとわくわくするね! うれし〜〜〜!!
で、本を開いて、数ページの前書きがあって、その後に出てくる「目次」で、もう既に「なるほどな、すごいな」と思いました。
なんでかと言うとですね、「目次を読むだけで文章が上手くなるコツがわかる」からです。
Amazonさんとかに目次載ってるかなって思って探したけど見当たらなかった……。
いくつか引用すると
1日たった200字の日記が小説家を作り出す
とか
まずたくさん書いて、いいところだけを残す
とか。
目次がまず、わかりやすい。指針が見える。そのおかげでめちゃくちゃ信頼を置いてこの本を読み進めることができました。
(まあはやみねかおる先生のことは最初から信頼してるんですけど)
そして、タイトルが「めんどくさがりなきみのため」というだけあって、「書けない、わからない」をイチから肯定してくれてる。その上で現代のツールも交えて解決法を教えてくれる。
これ、すっごく気が楽になりました。
例えば、「どう書けばいいのかわからない」に対して、「ツイッターに呟くならどうするか」から入るアプローチが紹介されていたり。
例えば、インターネットでテンプレートを探して作文を書く方法が紹介されていたり。
わたしは頭が固いので、特にテンプレートの件なんかは「それ、言っちゃっていいの!?」って思ったりもしました。でも、「とにかく誰でも書けるようになる」っていう視点では、文明の利器インターネットを使って先人の足跡テンプレートをなぞるのも、有効なんだろうなあ。
そういえばわたしも就活のエントリーシートでは散々テンプレ文章を使いました……。
ただ、買う前に気付けばよかったんだけど、ツイッターで評判を見た時の印象よりも低年齢層向けに書かれている内容でした。対象は中学生くらいかな。主人公も中学生だし。
だから、作文が好きで大人になってもこうしてぽちぽち課されてもいない文章を書いている身だと、「当たり前では……」と思う部分も、まあありました。原稿用紙の使い方とかね……。学校で習うやろが。それとももしかして今の学校では習わないの!?
沢山(この本で推奨されてるのは毎日200字)書けば上手くなるってのも、まあ当たり前だし知ってる……けどなかなか実践できないよなあ……。
そうは言っても、「毎日200字」みたいな「わかっちゃいるけどできてない」基本を改めて教えて貰えることってなかなかないですよね。それに、知らなかった、やったことがなかった文章の書き方も紹介されていたので、今度やってみよう! と思った次第です。
なにはともあれ、対象年齢は「中学生〜」という印象があったのは確かですが、大人のわたしが読んでも楽しく役に立つ本でした!
それに装丁もカワイイし、2色刷りの本文もカワイイし、本棚に一冊こういう本があるとそれだけで「文章が上手い人」みたいに見える!!笑
もう書くのが嫌だな〜〜ってなっちゃったときに、初心に帰るために開きたい本になりました。
それでは、どうやってこの文章を終わらせればよいかわからないので、本書に出てきた「どうしても書けない物語を終わらせる魔法の文」で終わりたいと思います。
「いろいろあって、みんな幸せに暮らしました」!!
(ハピエン厨のわたしに優しい「魔法の文」だ!!)
おわり。
そういえば、はやみね先生といえば「都会のトム&ソーヤ」の映画化どうなったんだろ〜〜 って思い出したので調べてみました。
コロナの影響で撮影&公開延期だそうです………。しょんぼり。