おやつカルパス

さくぶんれんしゅう帳

元・ヤ○ハ音楽教室の落ちこぼれの練習記

4月11日、なんでもあってすぐ届くAmazonで頼んだキーボードが私の元に届いた。

 

選んだ理由は予算(コロナのせいでキャンセルすることになった旅行代)内に収まることと、それなりに名前を聞くメーカーの製品であること、そしてカッコいい赤いボディだった。

 

本物のピアノより上下1オクターブずつ鍵盤が少ないが、あまり大きくても邪魔になるし、そんなに多用する音域ではないから大丈夫だろう。

 

昔実家にあったオモチャみたいなキーボードと違って、鍵盤に厚みがあるのが嬉しかった。実は最初は、ぺらぺらで場所を取らないロールピアノも検討したけれど、やっぱりちゃんと鍵盤が鍵盤の形をしている方が良い。

 

早速弾いてみようと思ったが、ピアノを習っていたのは15年前、それ以降まともに鍵盤に触れていなかった私に「とりあえず」で弾けるレパートリーなど一曲もない。

仕方がないので、幼児コースの頃に習った指遣いでドレミファソラシドの音階を弾いてみた。

 

下手くそだった。

 

ドレミファソラシドに上手いも下手もあるか!? と自分でも思ったが、それにしても下手くそだった。

 

ドレミ..ふぁ..ソラシド‼︎

 

って感じ。

 

下手くそすぎて逆に面白くなってきて、まずはドレミファソラシドの音階を正確に綺麗に弾くことを目標にした。

 

キーボードについているメトロノーム機能を使って、鍵盤の端のドから反対の端のドまで順番に上っていって、一番高いところまでいったら下りてくる。

不器用で指の回らない左手から。

 

運指を間違えないだけでも難しいし、メトロノームに合わせて一定のテンポで弾くことを意識するともっと難しい。

 

そういえばわたしは、昔ピアノを習っていた頃こういう基礎練習が嫌いだった。好きな人も珍しいと思うけど。「音の粒を揃えろ」とか言われても、「音の粒」がなんなのかわからなかった。でも大人になって、あの頃より下手くそになって、漸くこの「音の粒」が揃っていない音階が不格好なことに気付いた。音の長さとか、大きさとか強さとかを一定に。力まない走らない。難しいけれど、少しずつ運指を間違えなくなり、少しずつ均等に音階を弾けるようになると楽しくなってきた。

 

キーボードが届いた日は、最初は左手、続いて右手、両方できたら両手での音階を練習して、夕方までずっとこれを続けていた。

 

 

 

Herotooの譜読みは左手から始めることにした。

 

ヤ○ハで習っていたころは大抵右手から譜読みをしていたし、どんな曲か大まかに掴むためにはメロディラインを受け持つことが多い右手から弾いてみるのが早いのは確かだけれど、楽譜が配信されるまでに原曲を何回も何十回も聴いているので今回わたしはこの曲がどんな曲かよく知っている。

しかも楽譜を見る限り、右手はシンプルにメロディラインをなぞっているだけで、複雑な和音とか修飾もなく、簡単にさらえそうだ。

そんなわけで、譜読みに時間がかかりそうで、かつ不器用な左手から練習して、ある程度弾けるようになってから右手のメロディをつけようと指針を定めた。

 

ほら、エンデヴァーだって「2つのことを同時にできるようにするにはまず片方を無意識でもできるようにしろ」みたいに言ってたし……。(アニメ最終回のハイエンド戦めちゃくちゃ格好よかったな)(5期決定ありがとうおめでとう)(そういえば轟焦凍くんも左右の同時発動の練習頑張ってたね)(楽しいので右手を「氷の方❄️」、左手を「炎の方🔥」って呼ぼうかと思ったけど逆にややこしいのでやめました)

 

左手🔥も2〜3音の和音の繰り返しばかりなので決してレベルの高い譜面ではないけれど、調号が多い(♭3つ、最後の転調した後は♯1つ)のと、ヘ音記号の楽譜が苦手なのとで、楽譜を読んで、練習して、形が掴めたら続きを読んで、の繰り返しで、最後まで譜読みを終えるのにまる1日かかった。

 

練習開始して2日目の動画。

 

この動画を撮った次の日からは1週間仕事だったため、毎日帰宅してご飯やお風呂を終わらせて20〜30分間この左手の伴奏を練習して寝ていた。ヘッドホンも購入したので夜でも弾けるのが嬉しい。

 

以前のわたしは、毎日仕事から帰ったらご飯やお風呂の合間に大した情報も更新されないツイッターをだらだら眺めて、時には見なくても良いコロナウイルスの不穏な情報まで色々読んでしまって、無意味に時間を溶かしてしまっていた。しかしこのキーボードが届いてからは、寝る前に少しでも弾いてから寝ようと、てきぱき用事を片付けるようになって、そういう意味でも買ってよかったと思えた。だってほら、「1日休むと自分にわかる、2日休むと仲間にわかる、3日休むと客にわかる」って言うんだから、毎日ちょっとでも弾かないと。(それでも練習をサボっていたのが幼少期のわたし……)

 

そうやって仕事に行った日は「忘れないこと」を目標に少しでもいいから鍵盤に触るようにして、次の週末にやっと右手❄️のメロディをさらい始めた。

 

先述したように右手❄️は簡単だったので、一通り譜読みしたらすぐに左手🔥の伴奏と併せてみた。当たり前だけど、左右🔥❄️の手で違うことをするので難しい。ちょっとリズムが細かくなるとすぐにわからなくなってしまう。

 

しかも、両手で弾くのが難しい分、片手が休符でもう片方の手だけ動かすフレーズになると開放感からかどんどんテンポが早くなってしまう。特にメロディは裏拍のリズムが多いので一定のテンポを保つのも難しい。キーボードが刻んでくれるエイトビートに合わせて、繰り返し練習するしかない。

 

練習中に撮ってみた動画。危なっかしい。

 

 

 

こうなってくると、繰り返して繰り返してちょっとずつ上達するしか道がないから、途端に地味な作業になってくる。譜読みの段階だと大まかに形が見えてくるのが楽しかったりするけど、だいたいの曲の形はもうわかっているのに指が回らない、集中力がないから間違える、間違えるからイライラして楽しくない、楽しくないから集中できない、という負のループに入っていく。

ああこうして子供の頃のわたしは練習が嫌いになったんだなあとわかってしまった。楽しくないもんね。

 

それでも今わたしがなんとか練習しているのは、ヤ○ハに与えられたテキストのよく知らない曲じゃなくて、自分で好きになって自分で弾きたいと思った曲だからだと思う。

 

間違えながら、つっかえながら、ゆっくりゆっくりだけど、弾けないレベルの曲じゃないことはわかってきた。べつに誰に聞かせるわけでもないけど、弾けるようになりたいので頑張ります。

 

 

 

 

 

じゃあまたね!!

 

 

おわり。