プロメアの夏は終わらない
プロメア。
多くのオタクの令和最初の夏を狂わせたアニメーション映画。
その円盤が、2月5日、発売になった。
チャレンジいちねんせい入学祝いセットか!?!?
と思ってしまうほどの特典に次ぐ特典の入った豪華仕様。Blu-ray&DVDを買ったはずなのに、他にも冊子が沢山ついてくるわサントラリミックスCDもあるわ他にも色々おもちゃがついてくるわ、もはやどれが主役かわからない。開けても開けても開封式が終わらない。
比喩ではなく、進研ゼミを受講していたキッズ時代、4月号だけ箱に入ってくる(他の月は封筒やビニール製のパッケージ)のが非常に楽しみだったことを思い出した。
4月号は付録が多いのだ。絶対途中で使わなくなる携帯ゲーム機のような電子教材に、教科ごとに差し換えできるソフト、分厚い副読本に◯年生デビュー完璧ブック……。今はどうか知らないが、こんな感じだったと記憶している。
特に小学一年生向けのスペシャルセットは羨ましかった。わたしは幼少期の記憶が非常に薄いので、小学校中高学年になったときには既に自分にそれが届いたときの記憶がなかった。受講していたはずなのに。テレビのCMで、小学一年生を迎える年長さんにどんなものが届くのか知った。
羨ましい。
4年生や5年生向けの進級祝いセットですらこんなにわくわくするのに、一年生は目覚まし時計や何かのカードやあれやこれや、あんなに沢山貰えるのか。宝箱じゃないか。
コラショの目覚まし時計は持っていた(次第に声がしゃがれてきて怖くて捨てた)し、沢山の持ち物に貼る細かいおなまえシールもプレゼントしてもらった。2〜3ヶ月に一回ついてきていたビデオ(今はDVDとかついてくるのかな)も擦り切れるほど観た。きっと記憶はないけれど一年生のときのわたしはわたしなりに、チャレンジいちねんせいを満喫したのだろう。
それでもわたしは入学祝いセットをもらえる新一年生が羨ましかった。いつでも羨ましかった。
きっとあの両手で抱えられる大きさのダンボール箱から、何が出てくるんだろうとわくわくしながら開封するのが楽しかったのだろう。
抱えられる大きさ、というところがミソだ。自分への宛名がついた、自分だけの宝箱。自分ひとりで持てるから何処にでも持っていける。空っぽになったら好きなものを入れられる。嫌なことがあったらこれを抱えて世界の端っこまで逃げるのだと思っていた。
大人になり、また通販の利用も多くなってしまった現在では自分宛の郵便物なんてありふれている。しかし当時のわたしにとっては、珍しくて特別で希少なものだったのだ。
勉強は途中で飽きるのでメインの教材はいつも中途半端にしか取り組まなかった(受講料を払ってくれていたお父さんお母さんごめんなさい)が、文字を追うのが好きだったわたしは読めるところは隅から隅まで読んだ。保護者向けの冊子まで読んだ。色や光はそれぞれ三原色で構成されていることも、ブラックホールの不思議も、林間合宿の荷造りのコツも、ぜんぶ進研ゼミの副読本で読んだ(三原色のくだりだけやたらハッキリ覚えているのは、昨年生まれて初めての同人誌を作ったときにカラーモードについて調べて、リアル「進研ゼミでやったところだ!」を味わったからだ)。そういえば今でも大変お世話になっている週刊少年ジャンプの表紙のデザインは、どんなに盛り沢山でごちゃごちゃしても「ジャンプ」の「ジ」の字だけは隠さないように作られていることも、わたしの記憶が正しければ進研ゼミの読み物で知った。他にも沢山付録がついてくるのが楽しみだった。夏休みには黄色いプチトマトに変な名前をつけて育てた。
要するに、そんな記憶を想起させたのだ。プロメアの円盤セットは。大人になったわたしはあの頃の進研ゼミより大きな箱でも両手で抱えられた。両手で抱えられるあの箱、しかもひと夏の恋に落ちたリオ・フォーティアの姿が描かれたスペシャルな段ボール箱には、本命の教材(本編の円盤)意外にも沢山の読み物や付録が詰まっていた。
宝箱だ。
ひとつ包装を開ける度に、パラパラ捲ってあれこれ遊んで、ひとつひとつ写真を撮って(進研ゼミをわくわく開けていた頃のわたしがカメラ付き携帯を持っていたら、きっとひとつひとつ写真を撮っていた)、後でゆっくり読もうと思いつつも中身を拾い読みしてしまう。
あんなにわくわくする体験は久しぶりにした。
特典の中身をちゃんと知らずに頼んだのも良かった。知っていたら「おうおうこれは"アレ"だな」と上から目線で見ていたかもしれないが、「取り敢えずうちわが欲しい!!!」とうちわが入っているセットを選んだわたしは、うちわと本編円盤以外に何が入っているのか読んだはずなのに覚えていなかった。福袋を買ったようなものだ。わくわくするに決まってる。
そしてわたしはこれからこの円盤を何度も観てプロメアの世界についての学びを深め、副読本の冊子を読み込んで新たな知見を沢山得ていくのだ。
なんだ。進研ゼミと同じじゃないか。
今後、プロメアで知った知識(アニメーションの作り方やデザインコンセプト、音の作り、物語の構成の解釈の仕方について、プロメアの各種インタビューやファンの考察で得た知見は多い。この作品を通してアニメの楽しみ方がより深くなった気がする。)を応用して読み解ける作品に出会ったら、「アッ!! プロメアでやったところだ!!!」とわたしは言うだろう。進研ゼミと同じじゃないか。
ところでこのプロメアという作品、また映画館で上映されます。
何度目の再上映だ!?!?!?
前日譚ガロ編リオ編付きの4DX上映!!!!
バレンタインの2月14日から!!!!!
わたしも勿論観に行きます。
円盤があっても映画館で観たいのかプロメア。
家のテレビやパソコンの液晶で観てしまうと益々映画館の大画面大音響が恋しくなるのがプロメア。
さすが、俺たちのプロメア公式は"解って"る…………。
本当はプロメアにここまで嵌まり込んでしまった思い出話もしたいのですが、長くなったのでこれくらいにしておきます。
じゃあまたね!!!!!
ちなみに、この記事を書く前に「今のチャレンジいちねんせいってどんなもの付いてくるんだろう〜〜〜 ひょっとしてぜんぶデジタル教材か!?!?」と思って調べてみたら、タブレットのデジタル教材がメインのコースが増えているものの紙がメイン教材のセットもまだ存在しており、目覚まし時計や名前シールがついてくるあたりは当時と変わっていなくてノスタルジーを感じました……。
20年経ってもナビゲーターキャラクターはコラショとキッズ。あらゆる世代の「チャレンジいちねんせい」の思い出に寄り添うふたり………。何の業を背負っているのか………。そのうち呪いに転じそうでは…………?
それにしても、今のチャレンジいちねんせいには無料で色んな図鑑とか本(電子書籍だろうけど)を読めるオプションサービスもついてくるそうで、それはめちゃくちゃ羨ましいですね!!!!!
じゃあまたね!!!!!!!(2回目)
おわり。