映画大好きポンポさん 感想文
めちゃくちゃ良い映画を観ました。
映画大好きポンポさん
原作:杉谷庄吾【人間プラモ】(プロダクション・グッドブック)
『映画大好きポンポさん』(MFC ジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA刊)
監督・脚本:平尾隆之
映画観に行ったときにときどきポスターとか予告を観てて気になってて、「最近映画観てない!!!! 映画観たい!!!!」と映画欲が爆発したときに「あ! あれやってるじゃん!!」と思い出して観に行きました。
もうねー、めっちゃくちゃ良かった!!!!!
画面がぜんぶポップでカラフルでカワイくて、わくわくするような歌入りの音楽が盛り沢山で、場面転換の演出やちょっとしたキャラの仕草に遊びゴコロがあって!!!
楽しい! カワイイ!! ハッピー!!! な気持ちになっちゃう情報が沢山目と耳から入ってきて!!!!
そんでそんな、楽しい! カワイイ!! ハッピー!!! でふわふわになった脳みそに、創作人の苦悩とか孤独感とかが、ときどきぐさっと刺さる。
その塩梅が絶妙で、楽しくてカワイくてハッピーなのに胸が苦しくなって、観終わったあと色んな感情で脳みそと指先がびりびりする、そんな映画体験でした。
以下ちょっと具体的に良かったところを書き記しておきます。
とにかく今の感動が薄れる前に残しておきたくてキーボード叩いてるから、何か間違ってたり的外れな解釈をしてるかもしれませんすみません!
まだ一回しか観ていないので……。(2回目キメる気満々の発言)(まあこのご時世なので観に行けるかわかりませんが……)
とりあえず最初の方はネタバレを避けて書くし、ネタバレっぽい内容を含むときは注意書き入れますけど、あんまり内容を知らずに観たい!! って人はここから先は読まずに今すぐ上映劇場や上映時間を検索することをおすすめします。
最寄りの劇場では上映回数もうがくっと減ってて、ぼんやりしてると上映終わるんじゃないか……? と案じているんです……。
まずひとつめはポンポさんがめちゃくちゃカワイイ!!
この公式サイトトップのキービジュアルにいるオレンジのツインテールガールがポンポさんなんです。カワイイでしょ? カワイイんです。とにかくこの子がもう最初から最後までカワイイ。
このビジュアルにぐっときた人はそれだけでこの映画を観る価値がある。
なぜこんなキュートなガールがあらゆる映画人から一目置かれる敏腕プロデューサーなのか? 若くてカワイイから周りの人から舐められたりしないのか??
そんなことはどうでもいいんだよ!!!
ポンポさんがカワイイ。これがすごく重要。
あと、何度も言ってる「ポンポさんが来たぞー!」ってヒロアカのオマージュ??? いや違うかもしれんけど……。毎回毎回言うから可愛くて嬉しくてクセになっちゃう! 好きです。
以下ネタバレ注意!!
この映画のタイトル「映画大好きポンポさん」だから思いっきりミスリードされちゃうけど、ポンポさんはたぶん映画が気が狂うほど好き!!! ってわけじゃないんだよね……。それはジーンくん(目の下にクマがある男の子)の方……。
でもその少し引いた目線があるからこそ、あのプロデュース力なんだろうなあと思います。
子供の頃のエピソードとかはナタリーちゃんと対照的に描かれていて、この鏡映しみたいな構図、何度も見て考察したくなるな……と思いました!
あとちょっと話が逸れるけど、ジーンくんもヒロアカの出久くんみたいで可愛かった〜!!!!
むしろこれもオマージュか????
ちょっとポンポ・ジーン師弟と、マイト・出久師弟の共通点を探すべくアマゾンの奥地に旅立ちたくなりました……。
そんでよかったこと二つ目は悪い人がいない! それ故にめちゃくちゃテンポがいい!!
作中に何度かあるんですよ。「あー、ここでこの人と一悶着あるやつね」って思うタイミング。
でもね、そのフラグが見事にへし折られていく。敏腕プロデューサーのポンポさんも、大御所の役者さんも、みんなみんなめちゃくちゃ優しい。
それなのに創作人は、自分ひとりで思い詰めて悩んで苦しんでいく。
個人の所感ですが、その「創作の苦しさ」こそがこの映画のストーリーの山場なので、対人トラブルとかは全部ノイズなんですよね。
だから「いやこんなうまくいかんやろ!」「この人こんなに優しいんかーい!笑」みたいなご都合主義になったとしても対人トラブルの描写とかは全部削ぎ落とされて、そんでめちゃくちゃテンポの良い映画になってるんだろうなあ。
これは映画の感想というより自分語りですが、わたしはこの作品で描かれている「創作の為に他のことを犠牲にする」ってやつができない人間で。
いやそうやって「わたしにはできない」って線引きしたらダメだな〜〜とも思うんだけどさ。
それでもやっぱり時間がなかったら妥協しちゃうし、フィジカルもメンタルも集中力もよわよわで睡眠や食事を削って何かに打ち込むことできないし。
決められた締め切り守れない奴は駄目(わたしは自分のこと駄目な奴だと思ってしまうとめちゃくちゃ落ち込むから必死に締切を守る)だし、体調管理も大人として当たり前なんだけどさ、だけどさ、ジーンくんみたいな、「馬鹿じゃないの??」って思っちゃうくらい創作に打ち込める人って、いいなぁと思ってしまうんですよ。
友達が少なくて、フィクションの世界に居場所や救いを求めてるところは一緒なのにな。最初少しジーンくんに共感したからこそ、彼の目覚ましい活躍には少し寂しさも覚えました。
そんで最後に言い残したこの映画のよいところがもう一つ。それは上映時間が90分なこと!
たった90分とは思えない濃密な映画体験でありながら、ずっと楽しくて集中していられるから一瞬で終わったようにも感じる。
時間感覚がぐにゃぐにゃになりました……!
そしてそして、良い映画体験をしたあとはふらっと売店に行ってパンフやグッズを買うまでがひとセット……!
チケットホルダーは超可愛くてマスクケースにもなるし、ちょうどプロット用のノートがぼろぼろになってたのでシナリオノートも買いました!
パンフと特典冊子読んで、2回目の鑑賞に備えたいと思います……!
原作も挿入歌もチェックしよ!! 忙しいぞー!!!
おわり。
ミソスープ
いきものがかりが好き、と言ったら、「あー好きそう!」と言われることがよくあります。
いきものがかりが好きそうな人ってどんな人だ。
おおらかで、優しくて、トガってなくて、光属性か闇属性かで言うと光。でもパリピではない。
こんなかんじかな。
いきものがかりがはちゃめちゃな勢いでCDを出していた2008年頃、わたしのiPodからは常に彼らの曲が流れていた。
生まれて初めて行ったアーティストのライブもいきものがかりだった。
吹奏楽部の演奏会で何度も踏んだ地元のコンサートホールのステージが別世界みたいになっていて、キヨエちゃんがステージの端から端まで駆け回っていた。
「花は桜 君は美し」のイントロがきらきら流れ出したとき、会場中の人が「きた……!」とばかりに息を呑んだ雰囲気を、今でも覚えている。
それから十年以上、常に新曲を、最新情報を追っていたわけでは決してない。
新曲も新アルバムも聞かなかった時期もあるし、もっと夢中で好きでいるものもいくらでもある。
気持ちが落ち込みがちな時期は彼らの曲が持つ前向きなエネルギーがしんどくて、シャッフル再生で流れてきても飛ばしてしまったりもする。
それでも、2017年の放牧(活動休止)はショックだったし、集牧(活動再開)したときには涙が出るほど嬉しかったし、集牧直後の紅白歌合戦はそれはもうテレビにしがみつくようにして観た。
そんないきものがかりが、三人から二人になるらしい。
さみしいなあ。
好きなアイドルが卒業する、とかとは、また違った寂しさがあった。
率直に言うと、ショックだった。
でも、公式サイトに載っているそれぞれのコメントを読んだら、さみしいのはさみしいけれど、不思議なあたたかい気持ちにもなった。
彼らの紡ぐ言葉はいつもやさしくて美しいと思う。
歌詞だけではなくて、こういうときのコメントもぜんぶ。
インターネットに文章を載せていると「読みやすくて好き」とか「文章のリズムが心地よい」とか褒めていただけることがときどきあるけれど、たぶん、いきものがかりの言葉の選び方、使い方に影響を受けている部分があるなあって最近気づいた。
十年以上ずっと口ずさんできてるんだから、そりゃあ影響受けますよ。
いきものがかりはずっと三人だと思っていた。
ずっとずっと、「もうおじさんおばさんじゃん」って言われるようになっても、三人でいるものだと思っていた。
でもそうじゃないんだなあ。
心の中の、「熱を上げて追いかけているわけではないけれど、ずっと好きでずっとそこにあると思っている」みたいな場所に置いていたものが、こうしてかたちを変えてしまうとき、大人になるってこういうことなのかなあと思ったりしてしまいます。
タイトルの「ミソスープ」は「ほっちの作ったうたって何があるかな」と考えたときに最初に出てきた「@miso soup」から取りました。
ユーモラスでかわいくて心が切なくあったかくなる、大好きな曲です。
映画「まともじゃないのは君と一緒」感想文
お久しぶりです。
素敵な映画を観たので感想を書きに来ました。
「まともじゃないのは君も一緒」
監督 前⽥弘⼆
脚本 高田亮
出演 清原果耶 成田凌 ほか
今年入ってから映画館で観た映画、微妙なのばっかりで。
Twitterで「上映中か上映予定でおすすめの映画教えて!」って言ったら匿名のメッセージで教えてもらった映画です。
つまり誰がおすすめしてくれたのかわたしは知らない。でも向こうはわたしのことを多少は(Twitterでのわたしなので本当に「多少」)知っている。
そんな見知らぬどこかのだれかのおすすめですが、すっごく良かったです。
わたし、映画館で観るなら派手なやつがいい! って今まで思っていて。
新海監督作品みたいに美麗作画のアニメとか、プロメアみたいにびりびりするような音響とか。
鬼滅やヒロアカみたいに緻密で迫力のあるアクションとか。
実写ならキングダムのあの広大なロケーションと世界観は映画館で観てよかったなー! って思ったし、ハリポタファンタビシリーズみたいな画面いっぱいに世界観が詰まってる作品も素敵。
でもこの「まともじゃないのは君も一緒」はそういう派手さは全然なくて、それなのに「スクリーンで観てよかった……」って思えたのは新たな発見でした。
まずね、役者さんたちの、言語化されない演技がとても良い。表情だったり、身体の動きだったり。
そんでカメラが切り取る一つ一つの構図が良い。
テレビとか配信とか、家で映画観ちゃうと、そういう「台詞に乗ってない物語」って見落としちゃうんだよな。これはわたしの集中力のなさにも要因があると思うけど。でも全部台詞で説明しちゃう、されちゃう作品が流行っているのをみると、他の人にもその傾向あると思う。
でも映画館で観ると、台詞にならずに映像で語られてることも全部集中して受け止めることができる。
なんだか久しぶりに、そういう全身で物語を受け止める体験をした気がします。
それに、音響も派手ではないけれど、森の中のシーンとか、自然に包まれているかんじがとてもよかった。あれも家のテレビじゃ体験できないなあ。少なくともうちにはホームシアターとかないから無理。あれも映画館ならではだったな。
ストーリーもとてもよかった。
「普通」とか「まとも」ってなに? って常々思っているので、その見えない概念に振り回されている登場人物たちのことが他人事だと思えなくて。
誰に決められたわけでもない「普通」にこだわる二人が滑稽で、切なくて、愛おしくなった。
わたしは「普通」で居たいという思いも、「普通」で居たくないという思いも両方もっているし、「普通」な部分も「普通じゃない」部分も両方持っていると思う。できれば、自分自身が「普通」であろうとなかろうと、「普通とか普通じゃないとか関係ない、わたしはわたし」の気持ちで生きていたいと思う。
でも「普通の人」ってそんなふうに考えるのかな。「普通かどうか」を考える時点で、あんまり「普通じゃない」のかもな。ときどきそうやってメビウスの輪みたいにぐるぐる考えてしまうタイプなので、「普通」を目指すふたりの物語が、とても胸に沁みました。
最近、少し(少しじゃないかも)嫌なことがあって。
現実逃避するように逃げ込んだレディースデーの映画館で、この映画に出会った。
特に感動するようなストーリーではなかったのに、観終わったらぽろぽろ涙が出てきた。
きっと別のときに観たらまた別の感情を抱くんだろうな。
もう一回、もう二回、何度でも噛み締めたい映画でした。
今年観た映画まとめ
趣味を聞かれたら「映画館で映画を観ること」だと言っている。
特に名作とか芸術としてどうこうとか詳しいワケじゃないけど、大きいスクリーンと大音響で、知ってる人も知らない人も真っ暗な中で一つの映像を見つめているあの時間が、好きだ。
というわけで、今年も色々映画を観たので記録しておこうと思います。
①サマーウォーズ(4DX)
サマウォは公開の翌年に金曜ロードショーで観てめちゃくちゃハマった。なんでこれ観に行かなかったの!? ってめっちゃ後悔した記憶がある。あの頃存在を知ったばかりだったpixivのランキングにも、キングカズマのイラストがあった気がするのに……。
それがこの度10周年(時の流れ怖い)イヤーということでこうしてまた映画館で上映されて、めちゃくちゃ嬉しかったです!! 4DXはシャボン玉とか紙吹雪みたいなあわあわとか沢山出てくるから楽しい!! 初見のころから推しは佳主馬くんなんですけど、侘助おじさんとか理一さんもめちゃくちゃ色気があるよな……とこの年になって気付くなどしました。
②僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(通常版、4DX、MX4D)
2019年末に公開だったヒロアカの映画、公開当日にも観たけど年が明けてからも数回観た。何回観てもMight+Uが流れるところで泣きます……。You say runのイントロと同じホルンの旋律が遠くから聞こえるあのイントロが大好き。
あのシーンでいつも流れる涙は何の涙なんだろう……。よくわからんけど作画とアクションと演出の凄さとか、其々大事なものを手放してまで姉弟を守ろうとした出久と勝己の想いの強さとかを感じて泣く。こんなに大好きな漫画がこんなに凄いアニメになって凄いなあっていう感慨で泣く。
それとMX4Dは色付きストロボエフェクトがあるので、出久くんのOFAのアクションの時に緑の光とか、かっちゃんはオレンジの光とかが劇場内に奔ってテンション上がるんです……! 荼毘の青い炎もよかった。
4DXにしろMX4Dにしろ、ラストのバトルシーンで風のエフェクトが入らないのがめちゃくちゃ良いなって思った。風エフェクト、楽しいけど結構雑音が入るんですよ。台詞も効果音もなくして音楽と画だけのあのシーンに、風の雑音は要らないでしょ……。4Dでもあのシーンがあの曲が大事にされてるのを感じて泣いた。
③プロメア(前日譚付き4DX)
プロメア結局何回観たの? って聞かれたら、「年の数くらい!! まあわたしは5歳児なんだけどね!!」って答えるようにしている。でも前日譚付き4DXは今年公開だったので初見です。
早く応援上映ができる世の中に戻ってほしいなぁ。
この前MステでSuperflyが覚醒を歌ってて、またプロメア浴びたい欲がむくむく湧きました! 円盤もあるけど映画館で観たーい!!
ヒロアカを見に行くと必ず予告をやってたので、気になって観に行った。原作のタイトルは知ってて、面白そうだなーって思ってたんだけど読むタイミングがなくて。
あんまり頭を使わずに観れて、明るく楽しくなれる映画だったので良かった。
わたしはミュージカル映画の突然歌って踊ってが始まるあのカンジ好きなんだけど、現代日本が舞台だと流石に浮くな……と思った。でもたぶんその違和感込みで楽しむのがこの映画の正解なんだと思う。
コスプレした人がいっぱい歌って踊るシーンめちゃくちゃ楽しくてよかったです。
どんどんドーナツどーんと行こう!
知人に勧められてテレビシリーズを観て、その流れで観に行きました。
アニメが好きで舞台裏とかキャストやスタッフのインタビューとかを読むのも好きなので、「アニメってこんな風に作るんだー」っていう部分も込みで楽しい作品。
わたしは「好きなことを仕事にする」に憧れつつもそれが叶わなかった人間です。仕事にしたいと思えるほど好きなことは見つからなかったし、好きなことを仕事にした結果嫌いになってしまうのも怖かった。夢を語ったときに「でもそれって大変だよ?」って言われるとすぐ諦めてしまって無難に生きてきた。だから、SHIROBAKOのキャラみたいな生き方をしてる人って、フィクションの中であっても羨ましいなあと思ったりする。
そんな風に、ついつい自分を顧みて、鑑賞中涙を流してしまうなどしました。
⑥天気の子
「映画が好き」とか言う割に公開当時は観に行きませんでした。緊急事態宣言明け直後は公開延期続きで映画館開けても流す映画がなかったのか、過去の名作を色々上映してて嬉しかった。
個人的には、「君の名は」の方が好きだな~~~~と思いました。
ストーリーは刺さらなかったけど、綺麗な映像と素敵な音楽は1800円払って映画館で味わう価値がある。
⑦ドクター・ドリトル(吹替版)
花澤香菜がキリン役と聞いて観に行った。キリンが好きなので。
↑キリン好きが高じて書いた記事。
子供から大人まで楽しめるわくわくどうぶつムービー! って感じですっごくハッピーになった。
ストーリーはシンプルで、ワルモノっぽいキャラが分かりやすくワルモノ。緻密で骨太なストーリーとか予想外の展開とかに慣れてきた中で、ここまでシンプルな作品は久しぶりに観たので逆に気持ちがよかった。
そんでどうぶつがみんなカワイイ!! 動物好きな子供とかに観てほしい~~~!!!
これもコロナの影響での再上映作品ですね。
ジブリの作画ってほんとうに「芸術」だなって思いました……。
何年か前に地元の美術館でジブリ関連の特別展(レイアウト展だったかな? 絵コンテと原画の間みたいな資料がメインの展示でした)を観に行ったときに、もののけ姫のゾーンで「森の中の木々は一本一本『これは○○の木、これは△△の木』って決まっている」みたいな音声ガイドでの解説があったんですよね。もうこれはアニメーターの会話じゃなくて、植物博士の会話だろ、って思っちゃうくらい詳しく、葉っぱの形や枝の張り方の違いを語っててすごく興味深かったんです。
この度はじめて映画館のスクリーンでもののけ姫を観て、そのことを思い出しましたね……。
それと、子供の頃は「自然破壊許せない! タタラ場は悪!」みたいに感じていたんですが、大人になって改めてじっくり観ると、また印象が変わるな、と思いました。タタラ場の人間たちも、其々守るものがあって大事な人がいるんだよね……って。でもストーリーが教訓くさいかと言われるとそうじゃなくて、行間から感じ取れることが沢山あって、いい意味で詩的だなあと思いました。
あとシシ神様はいつ見ても不気味。あのシシ神様に感じる怖さ、わたしの中で自然に対する畏怖の感情と結びついている気がして、子供のころに見たものってずっと感覚として残るんだなって思いました。
あまりにも面白ずぎて記事を書いた。
この映画、公開当時何も知らずにスクリーンで観た人たち羨ましすぎるな……。
何回も観ていてもこれなんだから、たぶん強烈な映画体験になったんじゃないかと思う。
記憶消してもっかいスクリーンで観たい。
⑨3年目のデビュー
日向坂46のドキュメンタリー映画です。
これも記事を書いた。
かねむらみくちゃんが2期生の推しなので、みくちゃんがセンターの「青春の馬」を大スクリーンで観ることができて嬉しかった。
⑩僕たちの嘘と真実
こちらは欅坂46(現・櫻坂46)のドキュメンタリー。これも記事がありますね。
鑑賞後はずっとぐるぐる色んなことを考えてしまって、正直苦しいなってこともあったんだけど、ラストライブでみんなが楽しそうだったことにとてもとても救われました。櫻坂、欅のころにはなかったような雰囲気の曲もあって魅力的なので、頑張ってほしい。
↓欅坂改名関連の記事
⑪Reframe theater experience with you
perfumeのライブ映像を映画館上映用に編集した作品。
欅坂ドキュメンタリーと同じ日に観て、上に貼った記事の最後にもちょろっと感想を書きました。
perfumeってわたしにとって、演出とか凄そうだから一度はライブに行ってみたいな~~って思いつつも、そこまで熱心には追ってないからライブがあるって知ったときにはもうチケット取れない……みたいな存在なんです。そういう存在、みんなにもいるよね!?
そんなわけで、欅のドキュメンタリーを観るためにちょっと遠くの映画館に行った(最寄ではやってなかった)ので、同じく最寄の映画館では上映していなかったこの作品もついでに観てみようということにしました!
ただ、私のperfumeの印象って「ダンスが格好いい」「演出が凄い」「誰派かと言われるとのっち派」という程度でちゃんと知ってる曲が少なくて……。欅ドキュメンタリーで脳みそと情緒を目いっぱい使ったこともあって、途中ちょっと……スヤァ……( ˘ω˘) ってなっちゃってましたゴメンナサイ!!
でも、三人とも「ライブたのしかった!」って沢山沢山幸せそうに言っていたことは覚えてる。
いつかちゃんとライブ行きたいですね!! そのときは体調整えて予習していきます!!
⑫BURN THE WITCH
ブルーノ・バングナイフの顔が良すぎた。
⑬ハリーポッターと賢者の石(4DX)
何度も言うけど、賢者の石公開から20周年とか意味が分からん過ぎる……。時の流れ怖い……。
賢者の石、公開当時観たときはまさかここまでずっと好きでい続ける作品になるとは思わなかったので、改めて映画館のスクリーンで観ることができて感慨深くなりました……!
公開のほんの2~3週間前に金曜ロードショーで賢者の石やってたから「人入ってんのか!?」って心配になりつつ行ったんですけど、まあまあ入ってましたね! やっぱりスクリーンで観たい人っているんだなあって嬉しくなっちゃった!
わたしが賢者の石を初めて観たときくらいの年齢の少年がいたり、観終わった後「もう号泣なんだけど……」って声を震わす二人組がいたり、グリフィンドールのローブを着たお姉さんがいたり、映画館で知らん人と同じ空間で観るのめっちゃ楽しいな! って思えた映画体験でした。
↓ハリポタ20周年に際して書いた記事はこちら
⑭劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
公開から2か月近く経ってから、やっと観に行きました。
たぶん正月くらいまで上映してるだろうなってのと、原作読んでて話知ってるしなって思うと腰が重くなっちゃって……。
評判通り、とてもとてもよかったです。
わたしは魘夢ちゃんのビジュアルが結構好きなので、大きいスクリーンで彼が出るエピソードを観ることができて嬉しかったです。
あと、改めてアニメで観ると猗窩座サン人気なのわかる……格好いい……って思っちゃった。これまでの鬼って自分の食欲を満たすため、それか快楽のために人を殺すキャラなんですけど、猗窩座サンは違うんですよね。美学があるの。
美学を持ってる敵キャラって格好いいじゃないですか。「永遠の命を手に入れてでも鍛錬を続けて強くなりたい」という彼の美学は「人の命は儚くとも、想いは強く受け継がれていく」みたいな鬼滅の世界観の中で否定されてしまったけれど。それでも私は格好いいと思ったよ……。
彼の過去を知っていて、同情の余地とか切なさを感じていたから、漫画でこのエピソードを読んだときとは印象が変わったのもあるかもしれません。
⑮羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来
存在は結構前から知ってたんだけど、全国ロードショーが始まってからじわじわTwitterで良い評判を見ることが増えて、「そんなん気になるやん!!」って思って観に行きました。
アクションの動きが良い。線の少ないシンプルな作画で、派手に魅せる動き。
「映像研には手を出すな!」で「『アニメ』を作りたいんじゃなくて『アニメーション』を作りたいんだ」って台詞がありましたが(映像研はアニメのみ履修しました~。漫画や実写版の気になる!)、これが正に「アニメーション」だ~~~!! って嬉しくなっちゃった。
音響もよかったなあ。これも派手で、映画館でなきゃ味わえないような深さがあった。
ストーリーやキャラについてはわたしにはあんまり刺さらなくて、Twitterに流れるキャラ萌え二次創作には結局あんまり心を動かされることがなかったのがちょっと残念。
シャオヘイ、カワイイけどね!!
ところでこの作品の「ぼくが選ぶ未来」みたいな、外国作品を輸入したときに時々つけられるちょっとダサい邦題、なんとかなりませんかね……。
⑯魔女見習いをさがして
これね、めーっちゃめちゃ良かった。
もうだいたいこの記事に書いちゃったのでそんなに語ることないんですけど、本当にほんとうに良くてぼろぼろ泣いちゃって、こんな作品を作ってもらえる世界に生きててよかったなって思いました……。
以上! 今年観たのは全部で16作品でした! アニメばっかりだ!!笑
コロナ禍で映画館に行きづらかった割には観てるなあ笑
ちなみに来年観たいのは平手友梨奈出演の「さんかく窓」と「ファブル2」とか、ヒロアカ第三弾あたりでしょうか……。他にもあった気がするけど思い出せない!
また楽しい映画観たら感想文書きますね!!
おわり。
日記。写真を撮る男女の話。
仕事で区役所に行くことがある。
今日はここ最近で一番と言うほど忙しかったのに役所にお使いを頼まれてしまって、社用車のワゴンRに乗って区役所に行った。
役所の入り口、換気のために開け放された自動ドアをくぐるとき、30歳前後の男女二人組とすれ違った。
いい大人がふたり連れ立って区役所なんて珍しいな。ひょっとして、婚姻届でも出しに来たところだったりして。
そう思いながら、わたしは手続きの窓口に向かった。
幸いなことに今日の用事は待ち時間がかからないもので、しかも窓口も空いていたので、ものの数分で終わってしまった。
会社に戻ったら仕事が山積みだなぁ、電話も沢山鳴ってるだろうなぁと思いながら建物を出た。
すると、先ほどの男女が、駐車場の隅でふたり並んで立っていた。
しかも、さっきまで入出庫する車の整理をしてくれていた警備員のおじさんが、そのふたりにスマートフォンのカメラを向けている。
数秒後、おじさんが女性にスマートフォンの画面を見せた。女性は頷いて、そのままスマホを受け取る。
「どうですか?」「大丈夫です、ありがとうございます」
そんな会話が聞こえてきそうなスマホのやりとりの後、男女は車に乗って役所から去っていった。
さっきすれ違ったときは「もしかして婚姻届かなぁ」なんてふわりと考えただけだったけれど、その一瞬の写真撮影を見かけてしまったせいで、「きっとあのふたりは婚姻届を出しにきたんだと思う! そうに違いない!」という気持ちになった。
彼らはきっと、婚姻届を出して、その直後の写真を残したくて、その辺にいた警備員さんに声をかけたのだ。
「わたしたち今婚姻届を出してきたんです。記念に写真を撮りたいので、シャッター押してくれませんか」「それはおめでとうございます、いいですよ」
なんてやりとりがあったかもしれない。
警備員さんは、あの夫婦(たぶん)が名実共に夫婦になってから、最初に「おめでとう」を言った人だったかもしれない。
他人の人生の一瞬を勝手に見かけて勝手に想像しただけなのに、なんだか幸せな気持ちになった。
それにしても。
あとから自分が駐車場を出るときに、彼らが写真を撮っていた場所をちらりと見てみたけれど、そこは本当に何もない、薄汚れた役所の外壁と、エアコンの室外機があるだけだった。
どうせ写真を撮るならば、区役所だとわかる場所を背景にすればよかったのに。
でもきっと彼らはそんなこと思いもしないくらい、浮かれていて、その場の思いつきで警備員のおじさんに写真を頼んだのだ。
そして、後々あの写真を見返して、「もっとちゃんとしたところで撮ればよかったね」なんて笑うかもしれない。
そんな夫婦の様子を勝手に想像して、胸がぎゅっと掴まれたような心地になった。
なんていうか、今風の言葉で言うなら、「エモい」。
そう、今日仕事の合間にわたしが見た光景はエモかったのだ。
冬の曇り空の下、何にもおしゃれじゃない区役所の外壁を背景に、男女がにこにことカメラを向けられているあの光景。しかも撮っているのはその辺にいた警備員。
ついつい物語を想像してしまう光景だった。
どうか、あのふたりが、末永く幸せに暮らしますように。
会社に向かうワゴンRの中で、見ず知らずのふたり、今日たまたま人生を垣間見たふたりの幸福を願った。
心に女児(男児でも可)が住みついてる大人は全員魔女見習いをさがしてほしい
泣くから。
※当記事には公開中の映画「魔女見習いをさがして」のネタバレが含まれます。
(冒頭公開という太っ腹動画を公式が出してるので載せてみたけど、少しでも気になるなーって思ってる人はこれを再生せずに是非映画館で観てほしい。これは一度見た人が思い出し泣きするための動画……)
でも主人公どれみちゃんじゃないんでしょ? どれみちゃん出てくるの? ってわたしも見る前は思ってた。これはどれみちゃんの物語じゃない。どれみちゃんの物語じゃなくて、わたしたちの物語だ。おジャ魔女どれみを見て魔女に憧れる子供だったけれど、現実には魔法なんかないって知って大人になってしまったわたしたちの物語。
もうね、オープニングがズルいじゃないですか。宝箱を開けたみたいな優しくて温かい、きらきらしたおジャ魔女カーニバル。それだけでボロボロ泣いた。
わたしも、普段は年相応な大人のフリして働いてるんだけどさ、子供の頃憧れてたものってずっと憧れなんですよ。それってわたしだけじゃないんだって、この映画を観て涙した人の数だけそんな大人がいるんだって思うとまた泣けた。
そんでね、この映画観てたら、ただ単純に「おジャ魔女どれみ」のことを懐かしく思い出すだけじゃなくて、子供の頃好きだったもの、憧れていたもの、信じていたもの、今でも懐かしくて話題に出るとテンション上がっちゃうもの、そういうものをたくさんたくさん思い出すんです。
子供の頃って本当に魔法があるんだって思ってたし、箒に乗れば空が飛べるって思ってたし、いつか美少女戦士になりたいって思ってたし、一緒に暮らすポケモンはどの子がいいか真剣に考えていたし、神社の古井戸は戦国時代に通じてると思ってたし、11歳になれば魔法魔術学校からの手紙をフクロウが運んできてくれるに違いないと思っていた。でもそうやって思ってたこと自体、大人として生きていたら忘れてしまいがちだし、「魔法って本当にあると思ってたんだよね」みたいなことすら普段は子供じみてて口に出せない。
だから、この映画の主人公たちみたいな、「好き」で繋がった友人ってすっごく、すっごく貴重だと思うんです。大人になってもまほう玉を大事に持ってるとか、呪文ぜんぶ言えちゃうとか、「おんぷちゃんみたいだね!」「世界一不幸な美少女なの…」みたいな会話とか、普段は言えないんですよ。大人だもん。でもそういう会話してるときってすっごく楽しくて、そういう相手が大事なの。
大人になってからの友人って、毎日学校で顔合わせてたときと違って、お互いが「友人でいたい」「また会いたい」って思わなきゃ成立しないじゃないですか。それがね、この映画の中の3人は成立してるの。「友人でいたい」「また会いたい」がお互いに成立してるから、喧嘩したり言いすぎたりしても誠実に謝って許せる関係、すごく素敵だし憧れるし、わたしも友達を大事にしようって思った。
映画の中のとある男の子が、「長く一緒にいると相手を傷つけてしまう」「だから一人が楽」って言ってて。それはすごくわかるなあって思うんだよね。学生のうちはずっとひとりって環境的に難しかったり浮いてしまったりするけれど、大人になったら結構簡単にそれができてしまう。仲良しグループの飲み会もクラスやバイトの同窓会も、誰かしらが予定合わないのが当たり前で、「ごめん、ちょっとその日ムリだわ」って言いやすくなって。「ちょっとムリだわ」「みんなで楽しんで」を何回か繰り返せば、気楽なひとりぼっちのできあがり。
そんな彼に「傷つけあってもそばに居たいって思う人がいる」って言えちゃうソラちゃんの言葉は、綺麗事かもしれないけど、それを信じてみたいなって思いました。
そんで、大人になっても好きなものの話を沢山してくれる友人たちに、会いたくなった。会ったらまた沢山、昔好きだったものの話も、今はまってるものの話もしたいな。